ラテックスアレルギーとゴムの木の痛み

ラテックスアレルギーとゴムの木の痛み
生体防御蛋白とアレルギー
何年か前の講演会で聞いた内容です。私には目からうろこでした。
以前、使い捨てゴム手袋の使用によって手の腫れやかゆみといった皮膚症状や時に全身のアレルギーが医師や看護師に起きて、問題になったことがありました。ゴムの成分であるラテックスのアレルギーです。
さて、ラテックスは植物が病害虫から自らの身を守るために産生する生体防御蛋白質の1種であるという説があります。この生体防御蛋白質には多くの種類が知られていますが、問題なのはヒトにアレルギーを起こす可能性の高い物質が含まれているということです(国立医薬品食品衛生研究所HPより)。
交配や遺伝子組み換え(生体防御物質を作るような遺伝子を入れる)によって、病害虫に強い品種ができたという利点の対極に、アレルギーを起こしやすいという欠点が新たに出てきてしまったということでしょうか。
ゴムの樹脂は、幹に傷を斜めに付け、その樹液を採取します。小中学校の社会で、プランテーションという農業形態を学んだ時に、教科書に写真が出ていた記憶があります。子供心に何だか痛々しい感じを受けました。このストレスや長年にわたる栽培に適した品種改良が、ゴムの木に強い防御物質を作らせたと考える研究者がいます。そういえば、かぶれの代表格であるウルシもゴムと同じ方法で樹液を採取します。これらの木は長い間、痛みに苦しんできたのでしょうか?でも、メイプルシロップも樹液ですが、アレルギーを起こしやすいという話はあまり聞きません。木の精神的(?)苦痛と生体防御物質の関係の真偽についてはもう少し研究が必要かもしれません(既に論文はあるのかもしれませんが)。
無農薬とそうでないリンゴでは、無農薬のリンゴのほうが生体防御蛋白質を多く含んでいた、という発表があり話題になったことがありました。農薬が無い状況下では、自分で自分を病害虫から守らなければならないのだから、ある意味妥当な結果でしょう。以前、市民農園を借りて無農薬、無肥料(実情は、手入れをさぼっただけですが)で野菜を作ったことがありました。病害虫被害を一手に引き受けたような畑になりました。あの時の菜っ葉達のストレスは大きかっただろうな、と少し反省。
念のため:品種改良や遺伝子組み換えを否定するつもりはありません。生体防御物質は通常の植物でも産生されている物質ですから、その利用の仕方が重要なのでしょう。ただ、無理が過ぎると、どこかにとばっちりが出るということはありえるかもしれません。

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