丸いハゲができた!!

よくある皮膚の病気(12)

床屋で丸いハゲがあると言われた

生まれつきではない、突然できた丸いハゲ(脱毛)のほとんど全てが円形脱毛症です。

円形脱毛症は毛は抜けていますが、皮膚は基本的に正常です(初期は少しむくみと赤みがある場合がありますが)。毛の抜けた後がじくじくして膿んでいたり(ネコから感染するミズムシ:白癬)、赤く硬くなっているような場合は円形脱毛症ではない可能性が高くなります。必ず皮膚科専門医へ行ってください。特に、膿やカザブタがついているときは、いわゆる抗生物質や消毒などで様子を見ていると永久ハゲになってしまいます(抗生物質で常在菌がいなくなる→白癬菌の競合相手がいなくなる→白癬菌はのびのびと増殖できる・・・つまり体が白癬の増殖に適した無菌培地になる)。小型の円形脱毛症は急いで病院に行く必要はありませんが、皮膚の異常を伴う場合は早めに受診しましょう。

円形脱毛症は一生の間に1-2%の確率で発症する可能性があると言われています。ただし、なりやすさには個人差があるようです。原因は、良くストレスと言われますが、私は、ほとんど?、と思っています(証拠はありません。経験的なものです。ただし、身内のお葬式が済んだ後に発症した患者さんはいましたので、全く関係ないとはいえませんが。)。少なくても、今まで感じていなかったのに、「うーん、俺は何か重大なストレスにさらされているに違いない」などと、原因を探してはいけません。本当にストレスになってしまいます。

現在有力な説は、自己免疫説です。自分の免疫が自分の毛を攻撃しているという説です。ちっとも毛が生えてこない脱毛部の皮膚を重症免疫不全のマウスの皮膚に植えると(つまり、自分自身からの攻撃がなくなれば)、毛が生えてくるそうです。

円形脱毛症になったらどうするのか?

成人以後の円形脱毛症は(頭全体や体全体の毛が抜る場合を除く)、ほっといても80%以上は治ります。一度皮膚科で診断がついたら、あまり気にせず(これが結構難しいのですが)1-2ヶ月様子をみましょう。数が増えてくる場合には、治療はいろいろありますので皮膚科医に相談してください。3-4ヶ月以上発毛のない方や円形の脱毛班が増えてくる方には局所免疫療法が私のお勧めです。「円形脱毛症にSADBE(えす・えー・でぃー・びー・いー)やDPCP(でぃー・ぴー・しー・ぴー)を塗る治療はやってますか?」と聞いてみてください。因みに保険は利きません(安い治療ですが)。ただし、子供、頭の生え際を中心とした脱毛、全頭脱毛、全身の脱毛、アトピーを持っている方は効きにくいです。

まだ毛がどんどん抜けている→皮膚科にかかる

円形脱毛はあるが、周りの毛は軽く引っ張ても全く抜けない→1ヶ月程経っても毛が生えてこなければ皮膚科受診を考えてもよいでしょう。

脱毛部に短いが硬く黒い(あるいは白い)毛が点々と出てきている+毛は抜けない→治っていますので、ほっといていいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上へ