わかりにくい医学用語と智の呪縛(2)

前の記事からの続き
何度説明してもなぜ患者さんは理解してくれないのか?
講義内容がなぜ学生さんの頭の中に残らないのか?
最近売れ筋ビジネス本のタイトルみたいですが、最近読んだ本「アイデアのちから」の中に明確な答えがありました。
aidea


学生さんへの講義でも、患者さんへの説明でも、教師も医師もなるべく正確な言葉で、間違いのないように、そして知っている限りの情報を漏れなく伝えようと努力します。一生懸命です。
でも伝わらない。
同じ仕事に長年従事し、自分の専門領域を知りすぎてくると(教師も医師も専門家ですね)、専門外の相手(学生や患者)が、どれほど知らないのか、がわからなくなります。自分が普段使っている言葉は、当然のように相手も知っていると思うわけです。智の呪縛です。はしごで降りていって、相手が理解できるさらに下の階層の事例(具体例)を持ち出して説明しなければならないのだと思います。
「アイデアのちから」・・・(題名と内容が一致していません)相手に自分の考えをわかってもらうための重要なポイントが述べられています。その中のひとつが、わかってもらいたいことに優先順位をつける・・・というのがありました。前回の記事でとりあげた国立国語研究所から出された提案の内容は、わかりにくい医学用語の説明として、「まずこれだけは」、次に「少し詳しく」、そして「時間をかけてゆっくりと」と3段階で説明されており、優先順位が付けられています。
また、提案に対して広く意見を求めていますが、医療従事者からの意見の中には、「智の呪縛」にはまりそうなものもありました。簡単に話すと不正確になる危険性がありますし、詳しすぎると理解しにくくなります。また、あまり具体的に話すと精神衛生上良くない言葉もあります(抗がん剤など)。なかなか難しいものです。
アイデアのちから・・・おすすめです。

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