乾癬に新しい薬が使えるようになる

乾癬(かんせん)という病気があります。頭のひどいフケ症、全身の皮膚に白く厚い角質がついた丸い少し盛り上がった赤い皮疹がたくさんできます。爪も水虫のように黄色くにごり、厚くなります。皮疹は数個しかない方から全身の皮膚に拡がっている方もいます。ほんとうによくある皮膚疾患です。”かんせん”と呼びますが、人に感染する病気ではありません。関節症状や体じゅうに膿が出る場合がありますが、多くの方は内臓や命にかかわる病気との関係もありません。
ただ、全身に島状の赤い皮疹ができて、バラバラと角質が落ちます。若いころから始まる方も多いので、集団生活、プール、浴場で肌を露出することが困難になります。恋愛や結婚やさまざまな社会生活に差しつかえが出ます。つらい病気です。
治療は、ステロイド軟膏、ビタミンD軟膏、紫外線治療、レチノイド(ビタミンA誘導体)の飲み薬、免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服などが行われます。でも、このような治療をしてもなかなかよくならない患者さんがいます。
新しい薬が年明けにも認可されそうです。
レミケード®(インフリキシマブ)とヒューミラ®(アダリムマブ)です。


レミケード®(インフリキシマブ)とヒューミラ®(アダリムマブ)はTNF-α(ティエヌエフ・アルファ)という炎症を引き起こす物質にくっついて効力を落とす薬です。今までは関節リウマチに保険が通っていました。
本来、バイキンから自分の体を守る役割をしているのが免疫です。これがおかしくなるといろいろな問題が起きます。
免疫現象は、免疫を担当する細胞(白血球、樹状細胞、肥満細胞)とそれが出す命令(サイトカインなど)によって行われています。
サッカーに例えてみます。
免疫を担当する細胞がサッカー選手、命令がサッカーボールです。
乾癬における司令塔(MF)は、リンパ球の中のT細胞や樹状細胞です(日本代表なら中村俊輔と遠藤でしょうか)。
中村から遠藤にパスが出ます(インターロイキン)。遠藤はさらに前方の選手にパスを出します。サッカーでは同じボールを使いますが、免疫ではボールの種類が変わります《インターロイキンにはたくさんの種類があります)。最終的にフォワードから出たボールによって皮膚に好中球(膿)が寄ってきたり、皮膚の増殖が盛んになったり(皮膚が厚くなる)、血管が増えたり(赤くなる)して乾癬ができあがります。また、MFが直接ゴールにボールをけりこむことがあります(中村のフリーキックが思い浮かびます)。
ですからこのような病気を抑えるには、選手をおさえるか、ボールをブロックするか、どちらかの戦法をとることになります。たくさんのお薬が開発されてきました。TNF-α(ティエヌエフ・アルファ)は中村が蹴るフリーキックのボールです。一発で乾癬を引き起こします。さらに蹴りだしたボールの一部は健康飲料になって中村にもどり、中村をさらに強くします。さらに強いボール(TNFαをさらに分泌できるようになります)が蹴れるようになります(オートクラインといいます)。レミケード®(インフリキシマブ)とヒューミラ®(アダリムマブ)はフリーキックのボール(TNF-α:ティエヌエフ・アルファ)にくっついて止めてしまう薬です。(単純すぎて間違いが多いかもしれませんが、どのようなことが起きているかを簡単に説明したいので)
正常に働いているTNF-αも止めてしまうので、特に結核の種などがあると悪化させてしまいます。治療前の検査が大切です。そして非常に高価なお薬です。でも待機している患者さんに早く使えたらいいなと思います。
さて、本日未明世界クラブカップ選手権でバルセロナが優勝しました。またメッシの活躍です。来年のワールドカップが楽しみです。

「乾癬に新しい薬が使えるようになる」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    レミケードの検索できました。
    私は乾癬性関節炎でレミケード治療を受けることにしました。
    サッカーの例え、解かり易くて良かったです。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。よくなることを祈ってます。

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