大酒飲みと皮膚病

首のうしろや手の甲に小さい水疱ができたり治ったりする。
治ったあとがケロイド(正確には瘢痕、はんこん)やシミになって残る。
繰り返すので数mm程度のシミやケロイドがたくさんある中に皮膚のただれ、カサブタ、2-3mmの小さい水疱が混じってみられる。
中年以後の男性で、相当な大酒のみ。肝臓も悪い。C型肝炎のウイルスを持つ、エストロゲン治療を受けている女性など
晩発性ポルフィリン症(ばんぱつせいぽるふぃりんしょう)です。めったにない病気です。


赤血球は酸素を体じゅうに運んでいます。酸素をくっつけて運ぶ成分はヘモグロビンといいます。ヘモグロビンのなかのヘムという成分が中心です。このヘムになる前の物質がポルフィリンです。ヘムにまで合成されてしまえば毒性はありませんが、途中でうまく作れないとポルフィリンがたまってしまい、いろいろな問題を起こします。
ほとんどは、生まれつき合成に必要な酵素の異常によりますが、成人以後後天的(こうてんてき:生まれつきの問題ではなく、その後の個人的な理由で病気になる)になるのが、晩発性ポルフィリン症です。
このタイプのポルフィリンは光にあたると活性酸素を発生させ、組織が痛みます。光が当たる首や手に水疱ができる理由です。
おしっこにポルフィリンが多量に出ていますので、患者さんのおしっこに少しの有機溶剤を入れて振るとポルフィリンが有機溶剤に移り、濃度が高くなります。これに紫外線を当てると紅サンゴ色に輝きます。美しいです。感動してずっとみていたことがあります。最近の検査は検査室や検査会社に外注するものが多いので、実際に自分の目で確認できる検査は結構感動するのです。
さて様々なポルフィリン体を経由してヘムを合成する経路はどの教科書にも出ています。学生時代、○○ポルフィリンが△△ポルフィリンになって、次に●●ポルフィリンになり、○○酵素に問題があると■■ポルフィリンができて、こういう症状が出る・・・という経路を覚えなければならない時期がありました。いろいろな異常できちんとした物質が作られず、途中の余計な成分が余って問題を起こす病気はひっくるめて代謝性疾患(たいしゃせいしっかん)といいます。この領域の勉強は大変苦痛でした。

“大酒飲みと皮膚病” への 2 件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    いつの間にか「大酒飲みと」が付いたのですね。さて・・20日までH大の美術部の会展がありまして、合評と打上げに乞われるまま出席しました。百回展でありまして、「あれから30年」です。打上げでは自分は烏龍茶とカンパリソーダで、若い方の飲みっぷりに圧倒されました。二次会は呑平組(5名)とカラオケ組(25名)に分かれました。時代ですね。

  2. SECRET: 0
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    NRさん。コメントありがとうございます。私はいまだに呑み助です。この記事は自制の意味を込めて書きました。

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