赤ちゃんの背中の一部に濃い毛が生えている

毎週1回、その週に外来を受診された患者さんについて皮膚科医がみんな集まって検討する会があります。外来に来た患者さんは普通1-2名の医師で対応しますから、診断や治療に問題がないかチェックする場です。
さて、先週背中の真中の下の方(腰骨の少し上)に直径5cmほどの範囲に濃い毛が密集して生えている赤ちゃんがいました。皮膚の色は正常で、皮膚の下に少し固めのしこりも触れたようです。さて何を考えないといけないのでしょうか?3人寄れば(失礼)、いろいろな意見が出てためになります。
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あざ・・・母斑(母に責任はない)


頭からお尻にかけての体の真中やその周囲の皮膚にシコリやヘコミ、盛り上がっている、濃い毛が生えている、赤アザがあるときは注意しないといけません。下の頭蓋骨や脊椎が2つに割れていることがあるからです。二分脊椎(にぶんせきつい)といいます。その割れ目から中の神経組織が袋ごと飛び出して出ていることがあります。安易にメスを入れてはいけません。まずはMRIなどの画像検査を行います。また、排尿や排便の異常や踵などに皮膚潰瘍(脊髄の神経の異常で感覚がないので床ずれが起きる)がないか調べる必要があります。背中の背骨の近くに生まれつき何か皮膚の変化があれば注意が必要とのことです。
脊椎と関係ない場合は、平滑筋過誤腫(へいかつきんかごしゅ、平滑筋母斑:へいかつきんぼはん、立毛筋母斑:りつもうきんぼはん)・・・筋肉が生まれつき一箇所で増えている、一種のアザです。皮膚の下にボコボコしたシコリを触れます。皮膚に黒いホクロがあって濃い毛が生えている場合は、生まれつきの黒アザ(先天性色素細胞母斑:せんてんせいしきそさいぼうぼはん)です。

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