太もも(大腿)の内側がしびれる

東京支部の皮膚科学会に行ってきました。学会では自分で発表する以外に他の発表を聞き、また教育的な講演も多いので勉強になります。また、医療機器や薬品会社の展示もあるので、新しい機械やスキンケア用の新製品をざっと見ることができます。本屋さんも出店します。大学や町の大型書店にも医学書コーナーはありますが、やはりスペースの関係から種類は限られます。学会に出店している本屋さんは皮膚科とそれに関連する本のみを持って来ますので、多くの新刊を手にとって見ることができます。学会参加の1つの楽しみでもあります。
前置きが長くなりました。昨日ふと手にとったプライマリーケア(よくある病気)に関する書籍に閉鎖孔ヘルニアが出ていました。骨盤の底の筋肉の隙間に腸が入り込んでしまうものです。大腿の内側が痛くなる、あるいはしびれるといった症状が出ます。閉鎖神経が飛び出した(陥頓した)腸と筋肉の間に挟まれたために、神経が支配する範囲(大腿内側)が痛むわけです。ほとんどが高齢のやせた女性に起きます。年齢や性別が診断上重要なヒントになる例です(必ず例外はありますが)。若い人に同じような症状が出た場合は、別の病気を考えないといけません。
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大根の花が咲いた


皮膚科には皮膚になにかできた方が受診されることが圧倒的に多いのですが、皮膚には何もできていないけれどかゆい、あるいは皮膚の表面が痛い、ちくちくする、熱い、などの感覚異常で受診される方も結構います。部位が片方で、かつ異常感覚がある一定の範囲に集中していれば、まずは末梢神経の問題ではないかと考えます。神経内科や整形外科の先生に診察をお願いします。
急におなかが痛くなった場合は外科を受診するので、そのときに大腿内側(太ももの内側)に痛みなどがあれば、まちがいなく閉鎖孔ヘルニアの診断がなされるから問題ないと思います。しかし、片方の大腿の内側の異常感覚や痛みがあって原因が不明とされていた方が、ある日急に腹痛がでてきたため外科にかかったら閉鎖孔ヘルニアと診断されたという場合もあるようです。下肢の片側のしびれは、どうしても脊椎関連(ヘルニアなど)の痛みとして片づけられてしまうことがあるのかもしれません。閉鎖孔は筋肉に囲まれているので外から触っても飛び出した腸を触れませんので、本人も気づかないことが多いようです。
因みに、「太もも」「内側」「しびれ」「痛み」でネット検索したところ、50番手までみても、整形外科的な回答やカイロプラクテックな記事はヒットしますが、閉鎖孔ヘルニアという診断名は出てきませんでした。「大腿内側の痛み」+「高齢の女性」で上位に1件ヒットしました。
高齢のやせた女性+大腿内側のしびれや痛み、が閉鎖孔ヘルニアを疑うポイントですね。

“太もも(大腿)の内側がしびれる” への 3 件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    はじめまして物理学者の惠藤憲二です。
    すごくいいじゃないですか!!

  2. SECRET: 0
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    ありがとうございます。

  3. SECRET: 1
    2月26日MO先生に見つかったみたい。ダイコンの花咲きました?とメールあり。

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