テルマエ・ロマエ

家人に誘われて見てきました。いい映画ですね。面白かったです。戦いで傷ついたグラディエーターたちが傷を癒す場面で、「こんな沸かしただけのお湯につかっても傷は癒えない・・・」みたいな表現が出てきます(正確なセリフは忘れてしまいまいました。だいたいの感じです)。私も「そうだ!」と思いました(私がそうだと思った点と原作者の意図とは大分ずれていると思います)。真水は傷にしみるのです。
以前、記事(草津温泉と皮膚)にもしましたが、「温泉はいろいろな成分が溶け込んでいるので真水より浸透圧が多少高い。したがって、真水よりはしみないはずだ」、「傷に布を巻いて細菌感染がおきる状態より、毎日温泉に浸かっていた方が痛くないし、傷も清潔にでき、かつ治りやすいに違いない」とか、「自分が江戸時代に生きていて、もし大きな切り傷を負ったら温泉に塩を持っていくかも」、など、くだらないコメントが残っています。
2014APR29-1
飛び石祝日の29日 職場の仲間とお花見 桜吹雪の中でのべーべキューになりました 春が行きます
2014APR29-2
差し入れの鮎です おいしかった


生理食塩水とは人の体液と同じ浸透圧の液です。浸透圧が同じだと水の行き来(引っ張り合い)が起きないので、しみません。傷ついた肌で普通の風呂に入るとしみるのは、傷より風呂の水の方が浸透圧が低いので、水が傷にしみ込んできます。細胞がむくむ(破裂する)からです。逆に海水のように濃い水に入れば逆のことが起こり、やはり痛みが出ます。
生理食塩水は水1Lに9gの食塩を溶かしたものです。これに近い浸透圧を持つ温泉ほど傷にやさしい(PHや温度の影響も強いので単純には言えませんが)可能性があります。温泉の泉質の表示には、「溶存物質総量」なるものもあって、これは1L中にいろいろな成分が何g溶けているか?ということを示していて、1g以上ないと温泉と言えないようです(すいません、素人であり間違っているかもしれません)。溶けているのが全部塩化ナトリウムなら溶存物質総量が9gならヒトの体液と等張(アイソトニック)になり、傷にしみなくなるはずです。しかし、イオン化する物質の場合は、浸透圧は体積あたりの分子数(モル数)に関係しますので、いろいろな分子量の物質が溶け込んでいる温泉の水を単純に溶けている物質のg数だけでは判断できません(たぶん)。ネットちょっと調べてみたのですが、溶存物質総量別ランキングとか浸透圧別ランキングとか、そのようなまとめサイトは見つかりませんでした(もしそのようなサイトがあったら教えてください)。
テルマエ・ロマエ・・テルマエは温泉の意味、英語読みでサーモ、語源は暖とか熱でしょうか?この映画には地元と関連した場面がいくつか出てきました。ゴミ焼却施設から出た熱源を用いた温泉プール施設(ウォータースライダー)や渋温泉のサル、草津温泉はお隣の県との境にあります。
話が飛びます。大学に入学してすぐに山岳系のクラブに入りました。週1回の部会では先輩たちが週末の登山計画をプレゼンし、後輩が希望するプランに手を挙げて参加する形式を取っていました。厳しそうな計画には手を挙げる者も少なく、「行きたい奴いないのか?」といった先輩の声の中、緊張した空気がただよいました。入部間もないころ、新入生歓迎のためのゴールデンウイーク期間の登山計画がいくつも先輩たちから提案されました。プレゼンが淡々と進む中で、ある先輩が「ゴムボートによる大沼横断と駒ヶ岳、恵那山、函館山アタック」というプランを提案しました。部室全体がどっと笑いに包まれました。私はその盛り上がりの理由がわからなかったのですが、盛り上がりにつられて手を挙げました。
駒ヶ岳では遠足の小学生達に抜かれ、函館山にはロープウエイがありました。山頂に向かう道路を横切りながら直登しました。頂上には駐車場と土産店がありました。部会で盛り上がった意味がわかりました。
でも楽しかった。大沼ではジュンサイを採取するおばちゃんたちとお話し、恵那山のふもとの海岸では波打ち際に寝そべり、湧く温泉につかりながら、湯だった昆布をつまみにお酒を楽しみました。移動はヒッチハイクでした。若いカップルの車に(たぶん女性の提案で)乗せていただいたり(車中で気まずい雰囲気が充満)しながら少しずつ目的地に移動します。札幌への帰りは室蘭に帰るご夫妻が乗せてくれました。室蘭に着いたときはだいぶ暗くなってしまっていたため、泊まっていけと言われました。久しぶりの普通のお風呂と洗濯したばかりのパリッとしたシーツにくるまれたフカフカのお布団に入ったときは天国のようでした。高倉健が出所後に初めて旅館の白いシーツに顔を当ててうめいた映画のシーンの意味がわかりました。北海道の自然の素晴らしさと人の優しさに触れた35年前のゴールデンウイークの思い出です。

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