指に丸くて赤くて痛がゆい皮疹ができた

手の指や足の指(趾)に1-2cm大の丸い赤紫の皮疹ができて、かゆい、いたがゆい・・・しもやけです。
関節と関係なく出る、指先に限らず指の途中に出る、爪のまわりや指の先は問題ない・・・というのが動脈硬化などによる血行不良とは違うポイントです。
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子供のころは、しもやけは結構よくあった様な気がします。もともと普通にある病気のため、病院にかかることがないのかもしれませんが、皮膚科医になってからは外来でそれほど多くみる疾患ではありません。原因は温度変化や湿り気、治療はかゆみに対してステロイド軟膏、内服はビタミンE、海外の文献ではニフェジピン(降圧剤)などが紹介されています。ただ原因や治療法について検証した研究は少ないと思います(自分の不勉強かもしれません)。
PubMedというある程度認知されている医学英語論文の検索サイトにしもやけ(英語でpernioやchilblains)を入れてもあまりヒットしません。あまり研究されていないのだと思います。そんなかで1件ヒットした論文がありました。
Clinical characteristics, etiologic associations, laboratory findings, treatment, and proposal of diagnostic criteria of pernio (chilblains) in a series of 104 patients at Mayo Clinic, 2000 to 2011
メイヨークリニックという米国で有名な病院の雑誌です。
シモヤケの患者について調べたら、
平均年齢38歳
女性が80%
部位:足のゆび(80%)、手のゆび(30%)
血液検査では、
寒冷凝集素 55%
クリオグロビン(低温になるとタンパク質が固まってしまう・・・血管が詰まる)はゼロ
膠原病(血液中に自己抗体(自分の体を攻撃する病気))数%
白血病などの血液の悪性腫瘍数%
でした。
白人のデータですので人種や住居環境にも差があるので何とも言えませんが、病院にかかったほうが良いと思うしもやけは以下です。
何年もなったことがない(あるいは今までなったことがない)のに、今年急にしもやけになった・・・という方は皮膚科にかかったほうが良いと思います。簡単な血液検査+抗核抗体+SS-A, SS-B抗体というのを調べておいたほうが良いと思います。
昔にくらべて住居環境が格段によくなり、さらに冬は確かに昔より暖かくなっている感じがします。でも、急にしもやけになった場合は何らかの変化が体におきたと考えた方が良いと思います。少なからず血行の悪さが背景にあるような気がします。
ちなみに、先の論文では、日常生活上の注意(暖かい環境を作る、乾燥した環境を作る、禁煙)で80%以上の方が軽快したようです。

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