梅毒 手の平を見る

医学系のニュースによれば成人日本人男性の梅毒患者が増えているようです。皮膚科は数十年以上前は性病などの感染症が診療の多くの部分を占めていたので、皮膚科医は性病をたくさん見ているような印象を持つ方がいるかもしれませんが、(病院の立地によってその頻度は大きく変わると思いますが)、私の勤める大学病院では梅毒は極めてまれな疾患です。私個人としては年に1例診断するかどうかです。メラノーマは年に30-40例診ますので、(私にとっては)梅毒は稀な皮膚がんよりもさらに稀な疾患です。
皮膚科医として梅毒を疑うポイントをまとめてみます。
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庭のフキノトウが咲き始めました。この時期の開花は今まで経験したことがありません。街中でも庭先に梅が開花しているお宅がありました。フキノトウはてんぷらにしていただきました。口の中に春の香りが広がり、しかし時期的にはなんとも複雑な気分です。
2015dec27-1
生ハム完成 暖冬のため冷蔵庫保存が続き、熟成が早まりました。


梅毒はほとんど性交渉で感染しますので、感染直後の症状としてよくあるのは口唇や陰部の数㎜程度の潰瘍が1個から数個できます。潰瘍の周囲が硬く振れることが特徴です。しかし、梅毒の特徴は時間が経つとこのような症状が治ってしまうことにあります。私はこれまでこの初期の硬さを触れる潰瘍で梅毒を診断した患者さんは数例以下です。多くは次の段階(2期疹)の皮疹で診断しました。二期疹は体に1-2㎝大の少し赤くてかさかさした丸い皮疹がたくさんできます。バラ疹といいます。バラ疹は1㎝以上の真ん丸いピンクの皮疹です。はしかや風疹などのウイルスや薬疹の多くは数㎜大までの小さい赤い皮疹がたくさんできることが多いので、1㎝というある程度大きな赤い丸い皮疹がたくさんできる病気はあまりありません。
10歳から20歳、元気、少しかゆいか症状無、手の平に皮疹なし:ジベルバラ色粃糠疹(変な名前ですが、何かウイルスが入った後の反応ではないかと言われています。皮疹がはでな割には問題は起こさず、しかし1-2カ月たたないと消えないので不安になり、皮膚科や小児科や内科を何件かまわってくる患者さんもいます。
年齢関係なし(多くは中高年、農作業をする方)、高熱、すごくだるい(座っていられない)、ゴールデンウイーク前後と晩秋、肝機能障害、血小板減少:ツツガムシ病・・・危険な病気です。地域で好発時期が決まっていますので、その時期には心の中で待機してます。
さて、上の2つの疾患にはなく、梅毒に特徴的な重要なポイントは「手の平」です。手の平に3-10㎜の本当に真ん丸い赤い皮疹がいくつか出ていたら梅毒を強く疑います。

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