早期の皮膚がんを疑うサイン 75歳以上の顔 赤い皮疹

皮膚がんで多いのは、基底細胞がん(きていさいぼうがん)、有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)、メラノーマ(悪性黒色腫)です。今回は早期の有棘細胞癌の見分け方について。

がんは一晩ではできません。とくに有棘細胞がんは盛り上がってくるまでに最低1-2年、普通は数年以上かかると思います(個人的な感想です)。頭や顔、耳などにできる場合(紫外線が原因です)、始まりは小さな赤い平らな皮疹です。見分け方について説明します。

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春の川です。鯉のぼりが舞っていました。

有棘細胞がん。聞きなれない名前ですが、他の臓器の扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)に相当します。皮膚は表皮細胞がいく層にも重なってできています。細胞は上に行くほど平ら(扁平に)になっていきます。このような細胞を扁平上皮といいます。扁平上皮からからできたがんなので、扁平上皮がんと呼びます。

有棘細胞がんの一番の原因は紫外線です。日本人は白人に比べて皮膚に色素(メラニン)が多いので、紫外線によってこのがんが発生するまでには長い時間がかかります。普通は70歳以上で、最近の統計では平均年齢が80歳代です。つまり超高齢者に多い皮膚がんです。

紫外線でできる有棘細胞がんの始まりを日光角化症(にっこうかくかしょう)といいます。がんの名前が始まりと完成型で変わる・・・「出世魚でもあるまいし」・・・と学生時代と研修医のころに(気が弱いので心の中で)突っ込みを入れていました。がんであっても始まりは増殖が遅く(つまりほおっておいてもあまり変わらない。場合によってはずっと変わらない可能性さえある。)、また転移もしないので、「がん」という名称を与えるのが適当ではないとの考えによるものだと思います(他にもいろいろ理由はあったようです)。日光角化症は「前癌病変」と呼ばれていました。

本題にもどります。

日光角化症の見つけ方

1.70歳以上(多くは80歳上)の方の、

2.耳の前から頬>鼻、おでこ、耳、頭に

3.5―10㎜(鉛筆の直径程度)の

4.赤い平らな皮疹(よくみると周りの皮膚より少しへこんでいる)、表面に薄黄色の膜がついている

5.存在場所や形が何カ月も変化しない(同じ場所にほとんど変化せずにずっとある(ただし少し育つと白っぽく硬くイボように盛り上がってきます)

以上です。高齢者の顔には茶色のシミやイボがたくさんできてきますが、まず最初に皮膚がんを見分けるポイントは赤く平らな皮膚炎です。かゆくも痛くもありません。

このような段階であれば急いで皮膚科にかかる必要はありません。でも1-2か月以内にみせてもらえるとありがたいです。塗り薬や液体窒素による表面の凍結で簡単に治せます。どちらも外来通院でできます。もちろん保険診療です。

 

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