皮膚科にかかる前に準備しておいてもらうとありがたいこと

2007年にこのブログを始めた頃に書いたお題です。皮膚科はどこも混んでいます。長い時間お待たせすることも多いです。すいません。でも、お待ちいただだいている間に準備しておいてもらえるととても(私が)助かることがあります。

散歩がてら、少し走って、多くは歩いて、ランニングシューズを買いに札幌ビール園のそばのスポーツ店まで行きました。途中にこんな味のある酒店がありました。スポーツ店では親切な青年によい靴を選んでもらいました。「今日が最後です。明日から京都店に転勤します」。こういう点で起きる出会いっていいですね。頑張れ、青年、京都でも。寅さんみたくなった。

このブログの2番目の記事で触れました。「皮膚科にかかる前に
皮膚科に行こうと思ったときに、ちょっと読んでもらえるとありがたい皮膚科受診前の準備についてです。

今使っている(あるいは過去に使った)塗り薬(ぬりぐすり)を持ってきてもらえるとありがたいのです。

皮膚科を受診する患者さんから私がお聞きしたい最低限の情報は以下です。

1.いつ症状に気づいたのか?
2.その症状は今日までの間にどのように変化したか?

a 出てからほとんど変わらない
b 出たりひっこんだりしている
c どんどん悪くなっている
d しばらくは少しずつ悪くなっていたが、ある日突然急激に悪くなった

3.何か治療をしたか(使用した塗り薬や飲み薬の名前)
4.他の科にかかっている病気(持病)はないか?
5.上記で処方されている薬は何か?現在飲んでいる健康食品や漢方薬はないか?

1と2を教えてもらうと、私の頭の中には縦軸Y(病気の程度)と横軸X(時間経過)からなるグラフが描かれます。例えば2のbですと、三角関数SINのような波状のグラフが、2のdですと対数関数のようなグラフができあがります。・・・わかりずらいですね。

3の治療歴を教えてもらうと、上のグラフ上のところどころに→で治療内容が書き込まれます。私の科にかかる前に行った治療を「前治療」といいます。前治療によって、現在の症状が見かけより良く見える場合と、前治療によってむしろ悪化している場合があるからです。時には最初の症状はとっくに治っているのに、治療による問題のみが継続していることがあります。医原病(いげんびょう)と言います。

4は、現在の皮膚の症状が内蔵の病気と関係ないか考える参考になります。

5は大切です。尊敬する北里大学名誉教授の西山先生は、「まず中毒を除外しろ」とおっしゃっています。中毒、水質汚染、薬物などによる障害です。これは診断するだけで初期であれば治せる可能性があります。中毒をきちんと除外しないと、免疫アレルギーなどの難しい病気の診断に移り、袋小路に入り込んでしまう危険性があるからです。水俣病などの公害による疾患が、最初は他の原因(アレルギーや遺伝疾患、感染症)によるとされた過去もあります。健康食品で筋肉の膜が炎症を起こして皮膚がパンパンに腫れた事件もアメリカで起きました。中国では水質の悪化から深い井戸が掘られていて、飲用水にヒ素が多く含まれている地域もあるようです。ヒ素は摂取から数十年して皮膚や内蔵に癌を発生させます。日本でも一見山の中のきれいな川でも、上流にどんな産業廃棄物が投棄されているかわかりません。また、以前のブログ記事「きのこと皮膚病」のように、あらゆる食品が皮膚疾患の原因になります。ドクダミもビタミンBも日光紫外線によってアレルギーを起こすことがあります。

頭の髪の毛が全体に抜けてまばらになってきた・・・学生に可能性のある病気を挙げてもらうと、SLEなどと言います。教科書には頻度に関係なくおっかない病気がたくさん書いてあり、学生はそれを覚えないと試験に通らない。その症状が起きた患者さんに多い原因・・・たとえば首のリンパ節が腫れて痛い・・・日常診療では上気道炎やヘルペス・・・しかし授業や教科書的には「悪性リンパ腫を一番詳しく教えるので」学生は鑑別診断の最初にリンパ腫を挙げる・・・患者さんの前で言ったりすると患者さんはびっくりする・・・ということが日常的に起きます。

原因なく頭の全体の毛が急に抜けてきたときに考えるのは、とくに思い当たることがなければ円形脱毛症関係ですが、まずは中毒を鑑別しましょう。タリウム中毒も大切です。と、学生に話しながら、そんな事件はまず日本ではないけどね・・・と25年間言い続けていたら本当にそんな事件らしいことが起きてしまいました。

えらそうなことを書いてしまいました。後半の文章は、自分への注意のために書きました。

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