2018年 日本皮膚科学会総会(広島) 勉強になったなぁ

5月最終週に広島で皮膚科の学会としては最大の総会がありました。1日半しか出席できませんでしたので駆け足でポスターを見て歩きました。さすがに日本中から教育的な発表が集まっていました。いまさらですが私が感心した内容をまとめておきます。ちょっと専門的で、このブログの本来の目的である患者さん向けではありません。自分の備忘録です。

標高300mの縦走?路 三角山から大倉山へ 久々に晴れました

初めて来ました やはりここを滑り降りれる方の気がしれない

これは先週の大通 よさこい、ですね 札幌は毎週なにかイベントがあって、短い夏をきちんすごそうという熱意を感じます(個人的な印象です)。なにか制約があったほうが単位時間あたりの想い出は濃縮されるのかもしれません。

 

記載には注意を払っていますが誤解曲解、標記の間違いなどがあるかもしれません。
・皮膚筋炎の画像検査:MRIで所見なくてもPET/CTで所見出ることあり 藤原千紗子先生(群馬大)・・・保険の問題があるが稀な疾患であり、筋炎の診断は大切なので症状詳記(保険が通らないと検査代がいただけません。病院の負担になります)でなんとかしてもられるといいな
・術後の皮疹:手術台のカバー、不織布のかぶれ・・酸化防止剤 Irganox1076 服部淳子先生(京都府立)・・・消毒薬だけじゃないんだ。
・パッチテストパネルでの7日以上の遅延反応:金18.6%、フェノールホルムアルデヒド2.8%、イソチアゾリン2.8%、フラジオマイシン1.1%など(従来、金、PPD,コルチコステロイド、フラジオマイシン、樹脂が多いそう)鈴木加余子先生(藤田保健)・・・自分の患者さんにもあった現象。パッチテストが感作(今まで問題なかったのに検査でアレルギーになっちゃった)を起こしたのかと不安でした。
・ヒト精漿アレルギー:犬上皮との交叉反応 Can f5 (arginine esterase)・・・性交後のアレルギーの原因が犬の上皮だった。足立厚子先生(兵庫県立加古川医療センター)
・加水分解小麦アレルギー患者に小麦を摂取させるとIgG4が増加する。制限すると下がる。原田直江先生(広島大)・・・IgG4はアレルギーを抑える(寛容)ために上がっているようです。病態や脱感作の指標に使えるでしょうか?
・アトピー患者がユズ入り入浴剤で皮疹悪化:ペクチン(柑橘類の果肉周囲の白い線維部分)カシューナッツ・ピスタチオと交叉性あり 鷲尾健先生(西神戸医療センター)・・・かぶれは疑うべき原因候補が多くて大変です。
・トニックウオーターによる固定薬疹:キニーネ入り飲料は紫外線を当てると発光する。製品:シュウエップス、カナダドライ、ウイルキンソン、バーモンジー 豊田知宏先生(東邦大)・・・有名な事実ですがキニーネが入った飲料水は国内商品にはないようです(安全性の問題ではなく本当のトニックウオーターにはキニーネがマストのようです)
・DIHSでTARC高い・・・重症化(紅皮症、S-IL-2R高い、異型リンパ球多い、Cr低下と相関)西村友紀先生(奈良県立医大)・・・注意してみてみよう
・汗孔角化症:ジクロフェナックナトリウムゲル効いた  清水聡子先生(市立札幌) イミキモド、アダパレン、VitD無効・・・ジクロフェナックナトリウムゲルは日光角化症に効くというエビデンスもあります(ただし海外で売っている濃度の濃いやつ)。汗孔角化症は治療しようという気持ちが今までなかった(反省)ので、今度試してみます。
・壊疽性膿皮症:ステロイドパルスやDDSに不応、免疫グロブリン2500mg単回投与で著効 1ヶ月後2回目投与で完治 鈴木草先生(独協医大)・・・これは朗報だ。
・薬剤性疱疹状天疱瘡:バルサルタン/アムロジピン配合剤 原因はバルサルタン 木下真直(山梨大)・・・降圧剤の合剤(2種類以上の主成分が混ぜてある)は最近多いので注意します。
・類天疱瘡のPSLコントロールが不良の時は併用薬(CYP3A上げる薬:フェニトインなどの抗けいれん剤)に注意する 吉岡勇輔先生(湘南藤沢徳洲会)・・・今後注意します。
・皮膚筋炎:抗体と手指の皮疹の組織との関係:ARS抗体は乾癬様、湿疹様、MDA5:血管障害 沖山奈緒子先生(筑波大)・・・皮膚筋炎の患者さんの手の関節背面には湿疹様の皮疹ができます。組織に興味があったのでタイムリーな報告でした。
・MDA5陽性皮膚筋炎は早期から大量PSL,シクロフォスファミドパルス、タクロリムス)の3剤併用を行う(18例で死亡例無し) 松下貴史先生(金沢大)・・・うちの施設でもそうしたほうがよいという話題が出ていたので勇気づけられました。
・皮膚筋炎と嚥下障害(TIF1γと関連):治療による嚥下障害の改善は予後(聖尊)と関連する。桃原真理子(名古屋大)・・・皮膚筋炎は皮膚科に受診する疾患のなかでは最も恐ろしい疾患のトップ5に入ります。今後の診療の参考にします。
・M蛋白血症+粘液水腫性苔癬:IVIG有効だった 清水理恵先生(山梨大)・・・難治なので、もし患者さんが来られれば検討します。
・コクサッキ―A6による成人の手足口病14例の解析:男性5(平均51歳)、女性9(平均年齢34歳)、水疱型4例、多形紅斑型10例 白血球減少無し、LDHとCRP上昇、多形紅斑型は細胞障害性変化と組織に好酸球やカクジンを混じる、多形紅斑型はかゆみが強い。第5病日の中和抗体で診断できる。 久保田由美子先生(福岡山王病院)・・・A6の多形紅斑は当院でも患者さんが入院していました。コクサッキーのA6はやっかいなタイプですね。
・中高年、両目の視力障害、1㎝大の脱毛斑多発、腹部の皮疹、手足に皮疹なし・・・梅毒 八代聖先生(けいゆう病院)・・。私もこの1年間で2名ほど同じ症例をみました。梅毒患者は10年前より確かに増えているかもしれません。
・ひきこもり+右下肢の皮下出血・・・壊血病(偏食によるVitC欠乏) 神谷香先生(市立豊中病院)・・・社会的な問題が医療に反映されるのは今に限ったことではありません。注意します。
・免疫抑制療法中の患者、あるいは一旦治ったリンパ腫の患者さんに新たに皮下結節・・・結核を含む抗酸菌症 指宿敦子先生(鹿児島大)、琴基天先生(日本医大)、西元順子先生(宮崎大学)・・・これもいつも注意していないといけないことです。ついつい腫瘍のことばかり考えてしまいますが真菌や結核の診断は疑っていないと(あるいはルーチンに生検すると決めていないと)見逃す危険性が常にありますね。

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