うそ寝作戦 トコジラミ

Visual Dermatology(学研メディカル秀潤社)という皮膚科の雑誌の今月号で夏秋優先生(兵庫医大)がトコジラミ(南京虫)について解説しておられました。

トコジラミの被害が増えているようです。夏秋先生は虫に関わる皮膚障害の第一人者で、名著「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」(学研メディカル秀潤社)は常にアマゾンのランキングの上位に位置しています。昆虫図鑑として楽しめるアトラスで、皮膚科医だけでなく虫が好きな方にもおすすめです。

今回は夏秋先生の論文から、トコジラミを疑うポイントと虫を見つける方法”うそ寝作戦”について。

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近況写真(本文とは関係ありません)

週末は余市の海に出かけました。今年初カヤックです。
全国的に梅雨明けですね。北海道も今年は6月からずっと天気が悪く、やっと夏が来た感じがします。

トコジラミ(昔は南京虫と呼称されていましたが、南京とは関係ないそうです)が宿泊施設や一般住宅で増えているようです。
トコジラミは宿泊施設などで旅行鞄や衣類に入り込み、旅行者の移動によって次の宿泊場所や一般家屋に持ち込まれるということを繰り返して広がっていきます。夜間に衣類から皮膚が出ている部分が吸血されます(イエダニは服の下)。首、手足、腹や背(腹や背は出して寝ていた場合・・・状況が目に浮かびますが・・・)などです。吸血によってほかの感染症にかかることはなく、ステロイド外用剤で皮膚炎は治るのでその場は大きな問題にはなりませんが、見逃すとトコジラミの拡散につながります。
トコジラミを疑うポイントは、
1)虫刺されの部位(服から出ている、露出部位の虫ささされ)
2)2-3日前か1-2週間前に旅行に行った
*なぜ2パターンがあるかという理由は、ここにまとめました。
3)壁や柱の隙間や畳の裏や寝具などの虫が生息している場所の点状の黒いシミ。この黒いシミは、トコジラミが吸血後に排泄する血の便だそうです。
そして、夏秋先生が提案するトコジラミを見つけるのによい方法は”うそ寝作戦”です。
うそ寝作戦とは
トコジラミは血を吸っておなかがいっぱいになると住処にもどってしまうので存在が確認できません。朝起きて虫に刺されていることに気づいてもそこに虫はいないのです。そこで、夜、四肢の肌を露出した状態で、照明を消し、20-30分間うそ寝をし、20-30分経ったら照明をつけると吸血のために近寄ってきた虫を発見できることがあるそうです(生息している虫の数が少ないと見つからないこともあるとのことです)。トコジラミに血を吸われている最中には痛みやかゆみはないそうなので、皮膚に神経を集中しておかないといけませんね(個人的な感想)。虫を発見したら何かの容器に入れ、かかりつけの皮膚科の先生の所に持っていけば診断がかなり確実になります。旅行歴や虫刺されの部位からトコジラミが疑われ、毎日かゆい皮疹が新しく出続けている方であれば試してもよいかもしれませんね。ただし、うそ寝をしているつもりが本当に寝てしまうと作戦は失敗するので、私なら目覚ましをかけておくと思います(個人的な意見)。20-30分後に明かりを点ける瞬間もドキドキするかもしれませんね。
なお、昔から2か所の対のさし口がトコジラミ(南京虫)の特徴といわれてきましたが、夏秋先生の ご自身の皮膚を使った実証事件では、さし口は1か所が最も多く、2-数か所まで様々であり、”2か所説”は間違いのようです。なお、複数吸血された場合はさし口が縦方向に並ぶようです。
駆除
部屋の燻煙だけでは隙間に住むトコジラミは駆除できないので、ノズルがついた待ち伏せ型のスプレー製品で寝具などの虫の通り道に噴霧することが必要とのことです。
製品名は、バルサンまちぶせスプレー(ライオン)、コックローチPA(大日本防虫菊)、トコジラミゴキブリアース(アース)

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