髪の毛がぬける 頭皮を観察する トリコスコピー

皮膚科では主に黒や茶色のシミ、ホクロ、癌、の診断に拡大鏡を使います。現在は偏光レンズとライトがついたルーペやカメラで診察します。ダーモスコピーといいます。3割負担の方で1回240円、1割負担の方で70円ぐらい、とても安い検査です。

この検査はホクロ以外にも、いろいろな病気の診断に有効です。(保険収載されていないので患者さんの負担はありません) たとえば、

・・・爪の甘皮の出血(黒い点にみえる)、甘皮の後ろにループ状の血管拡張爪などがあれば手の血行が悪いことがわかります。手指が冷たく、紫や白になることをレイノーといますが、膠原病(こうげんびょう:自己免疫疾患じこめんえきしっかん・・・自分の免疫が自分を攻撃してしまう病気)である全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ、多発性筋炎・皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、などを疑うサインになります。

・・多くの爪に薄い茶色の線が入っていて手が冷たい場合も上記疾患の可能性があります。

・・・乾癬は赤い小さい点々が規則正しく並んでいます(拡張した血管をみています)・・・湿疹との区別に使えます。

まだ、たくさんありますが、前置きが長くなったので本題の脱毛の観察へ

以下、本記事とは関係ありません。『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』/9/11(金)公開

「笑顔を忘れちゃだめだよ」・・素晴らしい作品でした。ラストシーンもいい。おすすめです。☆☆☆☆

毛の観察にダーモスコピーを使う方法をトリコスコピーと呼ぶ場合があります。

・毛の根本が先より細い(ビックリマーク!に似た毛):円形脱毛症の活動期(まだ抜けが進んでいる・・・脱毛部分がまだ広がる可能性が高い)
・産毛が生えてきていて、産毛だが根元が先より太い・・円形脱毛症の活動が終わり、攻撃のない毛が生え始めている・・・「治り始めてきたようだね」と患者さんにお話しできます。
・小さい出血点が散らばっている・・・抜毛しているかもしれない(抜毛症:思春期とその前後のお子さんなら小児科の先生と相談する)
・点・・以下が多いですがこれだけで区別できないことも結構あります。でも参考にはなります。
黄色:油の黄色:男性型脱毛、 角化物の黄色(角栓):円形脱毛症
黒:壊れた毛(半分は円形脱毛症)
白:一部なら正常。多数あれば瘢痕性脱毛(lichen planooilarisなど)
産毛+黄色点は男性型脱毛
!毛+黄色点は円形脱毛症
産毛のみで黄色点なしは休止期脱毛:急に起きた場合は甲状腺の病気、手術や出産の後など、体調が落ちているときにおきます。

髪の毛が抜ける 薄くなった トリコスコピー

髪の毛に問題がおきて皮膚科を受診する患者さんは少なくありません。このブログでも何度か取りげてきましたが、今回は関連記事の再掲と皮膚の表面を偏光レンズで拡大して観察する方法、ダーモスコピー(次の記事で)を脱毛している部分で観察するととても診断に役立つ、ということを書きます。

まず、これまでの関連記事から 検索全体のまとめはココ

男性型脱毛(だんせいがただつもう、若はげ、わかはげ)にまつわるウソ(12年前の記事)・・・現在も何んとなく言われている伝説を利用した宣伝は少なくないですね・・・「なんとなく言われている・・自分もなんとなくそう思っている」というところを突くのが上手です。

男性型脱毛(だんせいがただつもう、若はげ、わかはげ)に効果がある程度証明されている治療法(12年前の記事:価格の変動や新規の薬などが記載されておりません。少し現在と異なっている部分があります)

お薬による脱毛・・・原因となっていても、変更しにくいお薬もけっこうあります。

円形脱毛症の治療・・・かぶれさせて治す・・・今でもよく使います(保険が通っていないので医師と患者さんの間でPL法に抵触します。きちんとして説明同意を得て行う必要があります。自費です。病院によって異なりますが私の知る範囲では2000円から3000円ぐらいの設定が多いと思います)。

札幌は紅葉真っ盛りです。