爪の根元はナタデココ・・・爪と内臓の病気(1)

爪の根元はナタデココ
爪と内臓の病気
また、変な題名をつけてしまった。
爪は身体の部品としては、骨などに次ぐ固い組織です。爪を作る元の部分は爪の付け根から数mm手前の皮膚の下にあります。爪母(そうぼ)といいます。この部分は半透明で柔らかくプリプリしていて、まるでゼリーのようです。とても柔らかいのです。ですからこの部分を強く圧迫したり、爪母の上の皮膚に炎症があると爪が変形してしまいます。
話題変更・・・
爪は健康状態を反映する、とよく言われます。ネットで検索すると、爪の変化とそれに関連する全身の病気について多くのの記事がヒットします。


爪疾患カラーアトラス (単行本) 西山茂夫 著爪と内臓の病気に関するカラーアトラス(写真が豊富な教科書)です。西山茂夫先生はだいぶ前に教授職を退かれましたが、皮膚や粘膜疾患の診断において右に出るものはいないと、多分ほとんどの皮膚科医が思っている大御所です。
この本の最初の部分に爪について基礎的な説明がなされています。その中から、私自身が重要なポイントではないかと思ったことを2-3書き留めます。
1.内臓疾患や全身疾患との関係があるなら、一般的に全部の爪に変化が起きる。変化が1つの爪のみであれば、原因はその指にある。
2.足よりも手の爪の方が早く伸びる。爪全体が生え変わるのに、手の爪は半年、足は1年程度かかる。また、指によっても伸びる速さは違う。
3.爪の伸びる速さは手で、1日0.1mm、1ヶ月で3mmほどである。爪母から爪が姿を見せるまでの距離は数mmmある。
*1-3から言えることは、何らかの全身の病気で爪に変化が出るまでには、1ヶ月以上かかる。そしてその変化はまず手の爪に出る・・・ということです。
もっと言えば、すべての爪の中央に変化があったとしても、爪の根元(最近できた部分)が正常であれば、あまり気にする必要はないかもしれません。今みえている爪は過去(早くても1ヶ月前以前の)の健康状態を反映している記録紙といえます。
言われてみれば当たり前のことですが、このような基本的な事項をきちんと理解しておけ、という西山先生の教えを感じたのでした(ご本人の意図とは全く関係ない個人的な感想ですが)。
さて、爪の変化をみたら注意しなさい、内科で見てもらいなさい、という論調をよく聞きます。
しかし、普段元気でぴんぴんしている人が、爪の変化により、いきなり一般的な健康診断を受ける必要はありません。心配ならまず皮膚科へどうぞ。多くは初診料だけで済むと思いますよ。
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