ぶつけた記憶もないのに、腕にあざができた

ぶつけた記憶もないのに、腕にあざができた

特にぶつけた記憶もないのに、腕や手の甲に紫色のあざが突然できることがあります。皮膚の下で血管から出血したあざです。びっくりして受診される方がいます。でも、お年寄りであれば、たいていは心配いりません。

ぶつけた記憶もないのに、腕にあざができた

特にぶつけた記憶もないのに、腕や手の甲に紫色のあざが突然できることがあります。皮膚の下で血管から出血したあざです。びっくりして受診される方がいます。でも、お年寄りであれば、たいていは心配いりません。

年を取ると、正確には(たぶん)、長年にわたる紫外線などの影響で皮膚(表皮の下の線維)が変化してしまいます。線維は血管や神経などがふらつかないように固定している支持組織ですから、これが弱くなると血管の壁が軽い外力で切れてしまうことがあります。動脈がしっかりとした壁を持っているのに対し、もともと静脈はぺらぺらの壁しかありませんから、主に静脈からの出血が起きます。静脈は圧が低いですから通常はすぐ出血は止まります。

だいたい、70歳以後の方の手の甲にで突然できた紫のあざは心配ありません。出てしまった血は、掃除屋が片付けますので何も塗らないで様子を見ましょう。逆に一生懸命薬を塗ったり、マッサージをして悪化させてしまう方がいます。繰り返す方は薄い手袋などをすると予防になります。紫のあざは、黄茶色、黄色、と色が変わり、消えていきます。

お年寄り以外でも、長期に副腎皮質ホルモン剤を飲んでいる方なども皮膚が薄く弱くなるため、同じようなあざができることがあります。

この出血したあざを、医学用語では紫斑といいます。紫斑は次のような放置できない病気によることが多いため、医師にとっては一番注意する皮膚症状のひとつです。

1.血が止まりにくくなっている(白血病、血友病などの生まれつきの病気、薬、など)

2.血管が壊されている(血管炎など)

医学生の時は、紫斑に関わる恐ろしい病気ばかりを強調して教えられるため、余計に悪いイメージを持ちます。もちろん頻度は低くても、大切な病気は忘れてはいけませんのでしかたがありませんが・・・。

 

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