まぶた、マブタ、眼瞼(がんけん)にかゆい皮膚炎が起きた患者さんの最近5年間の報告例を調べてみました。
医学中央雑誌(日本国内で発行されている論文、学会報告のほとんどが登録されているデータベース、有料)で検索
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マブタ(眼瞼:がんけん)のかぶれ(接触皮膚炎:せっしょくひふえん)の報告例
(過去5年・医学中央雑誌)
点眼液・・・ 14例(カッコ内は症例の数)
リズモンTG (5)ケトチフェン(3)
ニプラジロール(2)イプシロンアミノカプロン(2)
ヒアルロン酸ナトリウム、リンデロン
外用薬・・・ 4例
ネオメドロールEE、リンデロンA、ロコイド
化粧品・・・ 2例
その他・・・ 1例づつ
ゴム(ボーリング場の粉塵)
イチョウの葉
マンゴー
目薬が多いようです。注意しなければいけないのは、ありふれた、あるいは、よく知られている原因(もちろん医師にとっては)でかぶれを起こしたような患者さんは報告されません(多くの症例を集めて、特徴などを調べた場合は別ですが)。
例えば、よく知られているものは、
ビューラー(まつげをカールするときに使用するもの・・・金属かぶれ)
水中眼鏡(ゴムの可塑剤によるかぶれ)
毛染め
外用薬に登場している3剤はステロイド外用剤ですが、前2剤のかぶれの元は、合剤として含まれている硫酸フラジオマイシンという抗生物質です。硫酸フラジオマイシンは一部の痔の薬にも入っています。お尻全体がかぶれて来院した方がいました。
医学中央雑誌(医中誌):学会で「調べたところでは、今回発表した症例は本邦ではじめての症例である可能性があります」などと言おうものなら、「医中誌は調べましたか?」と聞かれました。かけだしの頃は「いちゅうし???」。医学中央雑誌。昔は字のとおり分厚い書籍でした。一冊、1冊、索引をみて、調べたい文献を探しました。ネット検索と同じで、複数のキーワードについて探しましたので、気の遠くなるような作業でした。真夏に、冷房のない図書館のほこっりぽい空気の中で、汗をたらしながら調べたことが懐かしく思い出されます。今は楽になりました。