食事制限をするときの注意点


今日も快晴。雪山が美しい。ブログ用に何か草花が芽吹いていないかちょっと散歩してみたのですが、まだまだ木々のつぼみも固く、よい素材はありませんでした。
前回
アレルギーの検査 プリックテストと前々回アレルギー検査 IgE)の続き
食事制限は、患児にはもちろんですが、お母さんや同居する家族にも大きな負担がかかります。食事の準備、低アレルギー食の購入、まわりからのおせっかいや同情など、ストレスだらけです。特に赤ちゃんや幼児で、食べ物にアレルギーがあって、しばらく食べるのをやめなければならないときに栄養士さんが相談に乗ってくれることがあります。その栄養士さん向けの手引きが昨年公開されましたので、ちょっとまとめてみます。あくまでも、栄養士など、医療を提供する側に向けたガイドラインのひとつですから、これが全てということではありません。
ポイントは、必要以上に恐れて、関係のない食品も制限しないように指導してあげる・・・ということみたいですね。
食物アレルギーの栄養指導の手引き2008より


食事制限行うときに大切なことは、栄養が足りなくなって成長に差し障りが出てはいけないということです。小児科の先生や栄養士さんに関わってもらって慎重に行う必要があります。このガイドラインは、栄養士が食事制限をするお子さんを持つ親に対して、安全に、なるべくQOL(生活の質)を落とさないようにするための指導内容(栄養士向け)についてまとめたものだと(私は勝手に)解釈してます。
食品ごとのポイントを以下に・・・(私自身の解釈による記載ですので、ガイドラインの表記と異なります)
鶏卵
・鶏卵を食べられなくても、他の食品で栄養はカバーできます(安心してね)。
・鶏卵は加熱すると抗原性(こうげんせい:アレルギーを起こす強さ)がすごく減ります。だから、加熱された卵食品でOKでも、生の卵を使用したものには気をつけてね。
・黄身よりも白身のほうがアレルギーを引き起こす原因になっていることが多いので、制限解除は黄身からね。
牛乳
・アレルギー用ミルクがそのままでは(まずくて)飲めない場合は、料理に使ってとるようにしてね。
・牛乳は加熱しても、発酵させても、抗原性はあまりかわりません(鶏卵は加熱で低下、大豆は発酵で低下する)。
・食事制限も、きちんとした指導のもとで行えば、栄養の摂取量は減りません。ただカルシウムだけは少なくなってしまいます。カルシウムの多い食品(牛乳、豆腐、豆乳、小松菜、ひじき・・・)をとる必要があります。
小麦
・小麦を食べられない場合は、お米が中心になります(米にアレルギーがなければ)。
・(栄養士さんは)、(患者と家族に)、米粉、雑穀、でんぷんなどを使った調理法を教えなさい。
・完成した醤油には小麦蛋白は含まれないので、小麦アレルギーがあっても基本的には使用可能です。
大豆
・大豆アレルギーがあっても、大豆以外の豆類は食べれることが多い。豆類全部ダメ、と、ひとくくりにしないこと
・大豆油にたんぱく質はほとんど含まれないので、重症のアレルギーがなければ、大豆アレルギーがあっても大豆油は使用可能です。
・醤油や味噌は、重症の大豆アレルギーがなければ食べられる場合が多い。

・原因となることは少ないが、魚をまったく食べない場合にはビタミンDが足りなくなる。しいたけ食べて。
・鯖にアレルギーがあっても、青身魚全部がダメ、というわけではないので、青身、白身と肉の色で区別しないで。
・貝類、甲殻類、軟体類は魚類と違うので、一緒にしないで。
*青身魚は鮮度が落ちたり、保存状態が悪いと、自然にヒスタミンという物質が蓄積してきます。ヒスタミンはじんましんや花粉症やアレルギー性のショックの原因物質です。ヒスタミンは熱しても壊れません。青身魚でじんましんが出ても、もしかしたらアレルギーじゃない可能性もあるのです(この部分は私が追加)。関連記事:エビ、カニ、魚のアレルギー
野菜、果物
・加熱すれば食べれる場合がある(ただ、口腔アレルギー症候群などの危険なアレルギーを起こしやすい場合は、医師に相談してからチャレンジしたほうが良いと思います・・・私の意見)
ピーナッツ
・ピーナッツにアレルギーがあっても、くるみ、カシューナッツ、ゴマなどもひとくくりにして除去しない(これも、やはり検査をしてからチャレンジしたほうがいいと思います・・・私の意見)。
そば
・そばのゆで汁で他の麺をゆでないように注意する。

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