質問をいただきました(内容は少し変えてあります)。
上唇の皮膚との境目から少し下あたりに、1mm以下のサイズがそろった小さい白いブツブツが集まってできている(敷石状にみえる)。ウイルス性のイボでしょうか?
フォアダイス(フォーダイス)状態(斑)(Fordyce condition (spot))かもしれません。脂を分泌する腺がすけてみえているものです。
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皮膚の表面を守る1つの大切な成分が脂です。この脂は脂腺から分泌されます。脂腺は普通、毛の根元にくっついていて、毛に沿って外に出てきます(脂が毛の周りで分解して刺激のある成分になっておきるトラブルが「ニキビ」です)。ですから、毛のないところには普通脂の腺はありません。
皮膚では、手の平、足の裏には毛がありませんので脂の腺もありません。また口の中や唇、亀頭部、肛門、膣内にもありません。
しかし、生まれつき毛のないところに脂の線がある方がいます。子どもの頃にはあまり脂の腺は発達していないので目立ちません。大人になるにつれて目立つようになります。
良くみられる場所は口の頬の粘膜、唇、亀頭などです。
フォアダイス(フォーダイス)状態の「状態」とは、病気じゃなくて、脂の腺が単に増えている状態という意味です。治療は美容的な問題を除き、行いません。
ウイルス性のイボは感染症ですからどこにできてもよいのですが、唇に1mm大の小さいブツブツが敷石状に集まった状態をとることは私の経験ではあまりないと思います。
余談1:手の平や足の裏、唇、亀頭などは脂の腺がないので乾燥しやすいのです。洗剤やお湯に触れることの多い手、唇をよく舌でなめたとき、石鹸で洗いすぎた亀頭部などは、すぐ乾燥してカサカサし、炎症を起こしてきます。
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余談2:小さなブツブツが集まって敷石状の状態をとっていることを皮膚科の用語で「集簇:しゅうぞく」といいます。口唇のヘルペスや帯状疱疹などがこの形をとります。「集簇:しゅうぞく」・・・普通の変換では絶対出てこない単語ですね。
相談させていただいたものです。お答えいただいてありがとうございます。確かに私の亀頭にもフォアダイスがあります。おそらく唇のもファアダイスのようです。これ以上増やさないように予防の方法などあるのでしょうか?
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> 相談させていただいたものです。おそらくファアダイスのようです。これ以上増やさないような予防の方法などあるのでしょうか?
答え)生まれつきそこにあったものが目立ってきているので、残念ですが、増やさないようにする予防法は特にないと思います。