ちょっとショッキングなお題ですいません。
動脈硬化や糖尿病で血管がつまっったり、ぎりぎりで流れていた血液が寒さなどによって縮んで血液が流れなくなったり、カテーテルによる検査で血管の壁にくっついていたアテローム(動脈硬化の元)がはがれ落ちて流れ,足の指(趾)などの細い動脈につまることがあります。
足の趾や甲が紫色になり、あるいは皮膚が紫の網状になったりします。回復すればいいのですが、だんだん趾が黒くなってミイラのようになってしまうことがあります。そんなにめずらしくない症状です。これ、どうしたらよいのでしょうか?
ホウレンソウの芽がでました
まずは、血管がつまる原因や、どの程度つまっているのか検査します。問題はミイラ化した趾をどうするかです。
すぐ手前の正常部分で切断して縫い合わせても、切断後にすぐ良くなる場合と、さらに悪化する場合があります。
すぐに腐ったところより手前の正常部分で切断して、縫い合わせてよいかどうか? 大まかには2つのパターンに分けられます。
1.痛んだ部分より手前の一見正常に見える部分の皮膚の血行が保たれている場合:細菌感染などがあれば、それを治してから切断してもよい。
2.痛んだ部分より手前の一見正常に見える部分の皮膚の血行が保たれていない場合:膝から下の動脈のつまり具合をみて、つまっていれば開通させて、血行を改善させてから切断する。これができない、あるいは血行がよくすることができなければ、ミイラ化した趾は乾燥したままで様子をみて、ぐらぐらしてきたら痛んだ部分だけ取る。血行が悪いままで切断すると、切断部位が治りにくいだけでなく、さらに腐りが進む危険性が高くなります。
1.2を見分けるには痛んだ趾の手前の一見正常にみえる皮膚にどの程度酸素がきているかを見ます。皮膚灌流圧(SPP:skin perfusion pressure)を測定する機械で調べることができます。