床ずれ予防のためのマットの選び方

お尻の割れ目の上端(尾てい骨、尾骨、仙骨)や大腿の外側の付け根(太ももが骨盤にくっつく関節のところ:大転子だいてんし)が痛いという患者さんが時々来ます。診察するとタコのように硬くなっていたり、カサブタが少し付いていたりします。まだ深い傷にはなっていません。
これ、床ずれ(褥瘡:じょくそう)の始まりです。こんな場合はまずマットをお勧めします。今回はマットの選び方について。
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きのこ2111
近所の里山にやっと出始めました
agega2011
山椒の葉っぱを食べつくし、レモンの葉っぱにとりかかりました。今頃幼虫で大丈夫なんだろうか?


褥瘡の予防には同じ姿勢でずっと寝ない、つまり体位交換が大切です。しかし、いろいろな理由で同じ姿勢をとらざるを得ない方もたくさんいます。特に自宅にいる場合は介護するほうにも限界があります。そこでマットの出番です。今はとてもよいものがあります。
マットは大きく2つの種類に分けられます。ウレタンマットとエアマットです。
ウレタンマットはぐっと押さえるとゆっくりへこんで、ゆっくりもどるという性質を持ったものです。昔のエアマットは海水浴やキャンプで使うような粗悪な製品でしたが、現在の介護用は違います。一番高機能なものは、たくさんの小さい袋が時間差で膨らんだり縮んだりして、体をたくさんの点で支えます。支える部分を時間差で変えることで体圧を分散できるようになっています。すごいんです。
それぞれ利点と欠点があります。
体にかかる圧を逃がす効果が高いのはエアマットです。でも体の下面から側面の一部までがすっぽり覆われますので、寝返りができません。これ体が動かせる方には結構苦痛です。
ポイント1:選び方
自分で寝返りができる方はウレタン、できにくくなっている方はエアマット
ポイント2:買わないでレンタルする
なぜか? 介護保険の認定を受けている方は安く借りられる
なぜか? マットとの相性は使ってみないとわからない
なぜか? ウレタンは長く使っているとへたる
介護保険で要介護2以上と診断されているかたは数万から30万円ぐらいする高品質のウレタンあるいはエアマットを月1000円弱(定価の1-2%)で借りられます。要介護1以下のあるいは介護保険の認定を受けていない方はその10倍(1万円以下)の費用が毎月かかります。ウレタンマットですと定価数万円ですから、買ってしまったほうがよいと思われるかもしれません。しかし、マットには相性があります。必要以上に高機能なマットを選んでしまうと、逆に体を動かしずらくなって苦痛です。これは、使ってみるまでわかりません。レンタルしないにしても数晩は試てから買うべきです。要介護1以下の方でも、褥瘡を作りやすい理由があれば要介護2以上のかたと同じような料金で借りることも可能です。ケアマネージャーに相談してください。
・・・料金についてはお住まいの市町村によって違います。またベッドの料金は別です。
ポイント3 マットの上に布団を敷かない。
これ結構やってるお年寄りがいます。「なんとなく、寒い感じがして」というのは理由です。電気式毛布ていどであればOKですが、エアマットなどでは毛布もよれてしわになると、そこに圧がかかりやすくなります。薄いシーツがベストです。
チェックすること:特にウレタンマットの薄めのものを使用するときは、体重で一番へこんだところ(褥瘡のできやすい、出っ張ったところ)が、マットの厚みの中にあることを確認します。ときどきマットの一番下まで沈み込んでいて、マットの下の板めで付いている片がいます。これでは予防効果がありませんので、もっと厚いマットに変えてもらいましょう。

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