日本癌治療学会 ちょっと元気が出た

パシフィコ横浜で開かれている日本癌治療学会に来ています。癌の治療に関わる医療者が科を超えて集まる大きな学会です。
パシフィコ
気持ちの良い朝です。秋晴れです。釣りをする人もちらほら。うらやましい。
汐留朝焼け
今回の記事とは関係ありません。先週末は汐留で都会の朝焼けを見ました。「行楽日和です」というニュースコメントが恨めしかった。


癌は体中どこにでもできますが、消化器の癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、婦人科系の癌などが多いので、この学会には外科、産婦人科、泌尿器科などの先生の参加が多く、残念ながら皮膚科医はごくわずかです。この学会に所属している皮膚科医の数は数十人以下です。皮膚科医は日本に1万人ぐらいいるはずですので、きわめて希少な存在であるといえます。
癌治療学会参加者
X軸に寄り添っている線の内の1本が皮膚科医の出席者数の推移です。2010年の学会出席者は1万5000人を突破してます。皮膚科医の占める割合は0.1-0.2%程度かな。
こんな状況ですから、当然参加している皮膚科医はほとんどいないという状況になります。この会議には10年以上前からほぼ毎年出席していますが、皮膚がんのセッション会場には演者、発表を待つ数人と座長(司会者)の他に2-3人の観客(?)しかいないということも少なくありませんでした(というかほとんどこんな感じでした)。売れないミュージシャンのコンサートのようでした。これだけ観客が少ないと会場の椅子に座っている聴衆も気は抜けません。発表者の数よりも少ないのですから目立ちます。よって、かなり緊張します。退室も居眠りもできません。司会者から「なんか質問してくれないかなぁ」なんていう強い視線を感じて辛かったという話も聞きました。
しかし、今回は異変(?)が起きました。シンポジウムでも研究発表のセッションでも数十名の観客がいたのです。医師以外のパラメディカルの方、出版社の方、薬品メーカーの方など、医師以外の方もいらっしゃいました。議論もいつもよりちょっと盛り上がった感じがしました。なぜ急に多くなったのかわかりませんが、観客が多い方がなんとなくやる気が出ます。
さて、この会議で毎年顔を合わせる皮膚科医は癌治療を専門にするという希少種ですから、他の会議でもしょっちゅう顔を合わせることの多いよく知った仲間です。昨年と同じように、昨日はみんなで(といっても一桁ですが)中華街の丸谷才一おすすめのいつものお店(海南飯店)で飲みました。
今回50周年記念ということで、昨夜の記念式典に小田和正さんが来て演奏してくれたそうです(私は知らずに他の会場にいました。残念。聞きたかった「言葉にできない」。)。小田さんは、この会議に参加している医師ががん患者のためにこれからもがんばってくれることを祈って、マネージャーが断ろうとしたオファーを受けてくれたんだそうです(ネット上の情報ですから不正確かもしれません)。感謝です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上へ