米国臨床腫瘍学会(ASCO)に出席するためシカゴに来ました。ASCO(アスコ)は癌の診療に関する世界最大の学会です。毎年シカゴで開催され(シカゴが米国の中央部に近く集まりやすいからとのことです)、4万人ほどが集まります。毎年、治療方針が変わるような大型(多数の患者さんで検証した)の臨床試験の結果が発表されます。インパクトの強い順に発表形式が変わりますが、特に重要な研究は本会議場で発表されます。プレナリーと言います。毎年数題程度が選ばれますが、2011年は5題のうちの2題がメラノーマの新薬に関する発表でした。肺がん
や消化器がんや婦人科がんや血液のがんなどが圧倒的に多い中で、メラノーマがベスト5に入ることはとてもめずらしいことです。その後この2題で発表された薬はすぐに米国で認可され、治療選択のトップに踊り出ました。日本でも臨床治験が行われています。今年はどんな発表があるのでしょうか。たぶん日本でもいくつかニュースになるかもしれません。楽しみです。
シカゴ美術館前 暑いです 突然のものすごい夕立にたくさんの方が美術館に逃げ込みました
ホテルはループという最も古い地域にあります ガス灯が健在です
味のあるビルが林立しています
月: 2013年5月
ソウルにいます
今週末はソウルにいます。韓国の皮膚病理組織学会が呼んでくれました。皮膚科の専門医を取るための研修と研究会を兼ねた会議です。時々ジョークも飛び交う楽しい会でした。朝早くから70例の標本をまず自分で見ておいてから検討会と教育講演が行われます。みんなまじめです。若い先生たちが一生懸命勉強する姿はいいですね。英語もみんな流暢です。おいて行かれないように頑張らないといけないと思いました。ちょうど20年前に私の勤める病院を訪問してくださった韓国の重鎮の先生ともお話しができました。20年。言い古された言葉ですが、過ぎてしまえばあっという間ですね。
今回の準備のために、若いころに勉強したいくつかの教科書の中でしばらく目を通していなかったものをもう一度読みなおしてみました。うーん。理解できるようになった部分が少し増えた感じもしますが、ちょっと自信を失った部分もありました。ついでにamazonで絶版になっている教科書を中古で何冊か仕入れました。いずれも20年以上前の出版物です。
さて、ソウルは緯度が高いので涼しいのかと思っていましたが、日本と同じように昨日と今日は暑く、初夏のようです。ただ風はとても気持ちいいです。
関連記事:アッカーマン先生と皮膚病理
早朝の市場。散歩の途中に寄りました。
働く車(バイク?)
年代ものです。結構美しい。
マダニに喰いつかれた
ゴールデンウイークも過ぎ、過ごしやすい季節になりました。この時期に注意するのはツツガムシとライム病です。共に虫に刺されて病原体が体に入って起こる感染症です。今頃の時期にだるくて、体に淡い赤い皮疹が出て、とにかく体がだるくて、熱が出て、肝臓の機能が悪かったり、血小板が少なくなっていたらツツガムシ病の検査を行います。体がちょっとだるいか比較的元気で体幹に10-50cmの丸い赤い皮疹が1個出ていたらライム病を疑います。ライム病はマダニに食いつかれて血を吸われているときにボレリアという菌が感染します。マダニは結構そこらじゅうにいます。刺されても痛くなく、一旦食いつかれると1週間ぐらい皮膚についています。痛くもかゆくもないので気付きにくいです。首にイボができたと言って来院された患者さんを診察したらモゾモゾ動くダニが食いついていたことが何度もあります。気づかないんです。でも、気づいたらどうするかまとめておきます。
関連記事:ライム病
秋空のように澄んだ青空でした。
今シーズン初カヤック アルプスがきれいでした
全身まんべんなく筋肉痛です
検索ワード
ブログにはアクセス解析というツールがあって、日々のアクセス数や検索単語など見ることができます。普段参照することはほとんどありませんが、先月,当ブログを訪問するきっかけとなった検索ワードは何が多いか見てみました。
1.蜂に刺されたらどうするか?
2.爪の黒い線
3.手の皮が(丸く)むける
5.口唇が腫れた
6.おでき
6.手首のしこり
7.口角炎
8.酒さ
9.アレルギー(納豆、毛染め、ふきのとう)
10.血が止まらない
11.カバキコマチグモ
12.とびひ
13.メピレックス(傷に張る被覆剤です)
14.妊娠とステロイド外用剤
15.プリックテスト
苺の花 子株が外へ外へと移り、ほとんどの株が路上に
ブルーベリーの花
越冬したハーブが領地拡大競争を開始 左からローズマリー、オレガノ、タイム、ミント、パクチー、ルッコラ(白い花) 個人的にはパクチーにがんばってもらいたい
皮膚がんの統計
国内における直近の皮膚がんの発生と死亡者を調べる必要があって、ネット上で検索しました。皮膚がんのような希少がん(発生の少ないがん)の公的な疫学情報を単純にgoogleやYahooなどの検索サイトで探すのは結構大変です。いろいろなサイトがヒットする割には目的の情報にたどり着きにくいのです。例えば、皮膚がんx発生率、などで調べていただくとわかると思います。
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菜の花も最後です 夕暮れにできた影が水墨画のようでした
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ミツバチが来るとうれしい