1歳から4歳 手足のかゆい発赤 冬 ステロイド軟膏がぜんぜん効かない

1-4歳のお子さん 季節は冬(秋から春)
手の平が真っ赤になって、そのうち指の横にブツブツができてとてもかゆがる
そのうち皮がぼろぼろむけてくる 足にも症状がある 「湿疹」か? 「水虫」か?
何件かの皮膚科で水虫の検査をしても陰性で、ステロイド外用剤をもらったけど「ぜんぜん」効かない。
「お母さん、なんか変なもの触ってませんか?かぶれっぽいんですけど。砂遊びしますか?砂には金属なんかが含まれているので、金属アレルギーがあると結構かぶれるんですよね」
「でも今は寒いから砂場で遊んだりしませんよね・・・」
以上、私の経験です。自分で突っ込んどいて落ちもいまいちという展開です。
実は「砂かぶれ皮膚炎」という、EBウイルスなどの感染症による皮膚症状でした。


ステロイド外用剤は皮膚科医が処方する薬の中で最も多いものです。ステロイド(副腎皮質ホルモン)は強いものであれば正常の皮膚に塗っても血管収縮作用により塗ったところが白くなります。
感染症さえ否定できれば、ステロイド外用剤を処方しておけばたがいは多少でもよくなります(かぶれや薬疹などのでは、当然原因の特定と除去が行われないと完全には治りませんが、それでも多少は良くなります)。
しかし、全く外用剤に反応しない疾患がいくつかあります。
「砂かぶれ様皮膚炎」はそのひとつです。ジベルバラ色粃糠疹というのもそうです。
砂かぶれ皮膚炎は、正式の病名は小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎といいます。荻野篤彦先生が30年以上前に初めて報告した疾患です。
砂かぶれ皮膚炎に外用剤は効きません(かゆみも発疹も)が、1ヶ月以内に自然に治ります。内蔵などに問題を起こしません。家族にもうつりません。「外用剤は効かないが、ほっとけば治る、他に問題はなんにも起こさない。人にはうつらない(病原体はうつるかもしれないが皮疹は出ない。時間がくれば治る。」、といったところでしょうか。
治療が効かないことと、ほっとけば自然に治ることを説明し、薬も処方せずに「ごめんね。長い時間またせて」と言って帰ってもらいます。あまり文句は言われませんのでまあまあ納得頂いているようです。問題ないことを説明して、薬を処方しないで、あるいは治療効果があまりないことを説明してから少し処方して(それを納得してもらって)お帰りいただきます。

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