スネにかゆい皮膚炎ができた

今回はすね(脛、下腿)にできるかゆい皮疹について。
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すねは乾燥しやすい部位なので冬場などにはかゆみが出て湿疹もよくできます(皮脂欠乏性湿疹)。下腿全体にできることが多いと思います。保湿剤とステロイド外用剤が効きます。
静脈瘤などがあればむくみとシミとともに湿疹ができます(うっ滞性皮膚炎)。美容師、理容師、調理師などの立ち仕事が多い方の下腿の皮膚表面に浮いてふくれた血管が見えたり、足首から足の甲にかけて細かい血管が浮いて見える。これは心臓に戻る血管(静脈)の弁機能がうまく働かないために血管から血がもれておこります。
2-3cm大の円形、楕円形の湿疹が多発します。ちょっとじくじくします。体の他の部位にもたくさんできることがあります。貨幣状湿疹といいます。コイン型湿疹という意味です。冬に多いのですが夏にもときどき患者さんがきます。抗生剤の短期内服とステロイドの外用で治します。1個でも病変を残すとすぐ元に戻りますので、完全退治が大切です。
下腿に湿疹はないのにとにかくかゆがる方がいます。見ると1cmまでの褐色の表面がかさかさして少し盛り上がった病変が多発している方がいます。脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)です。脂漏性角化症は両性のイボです。イボにはウイルスによって起きるものと長年の紫外線曝露によって起きるものがあります。40-50歳以後に耳の前や手から前腕にできる茶色のシミやそれが盛り上がってカサカサしたできものは紫外線によるイボ、脂漏性角化症です。
脂漏性角化症は腫瘍ですから普通は痛くもかゆくもありません。しかし、ときどきかゆくなることがあります。高齢の女性に多い印象があります。治療は外用剤でごまかすか(腫瘍なので外用ではなおりません)、液体窒素などで凍結します。
下腿にはたくさんの皮膚疾患ができます。血管炎や結節性紅斑などの全身性の疾患でも皮疹は下腿のみにできることが少なくありません。病気の機序を考えれば全身にできてもよいはずですが、なぜか下腿に集中します。個人的にはうっ滞しやすい環境が関係しているのではないかと思っています。証拠はありませんが。

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