首や脇に1-3㎜程度の茶色のやわらかいイボがたくさんできている

首の付け根、おっぱいの下、わきの下(脇、腋)、股の付け根にポリープ状(基がくびれた風船状)の小さいやわらかいイボがたくさんできている。アクロコルドン、軟性線維腫、スキンタグ、などと呼ばれている良性のイボです。中高年にはとても多い皮膚の症状です。ウイルス性のイボとちがってうつりませんが、多発します。服を着替える時などにひっかかって血が出る場合があります。美容的に治療を希望して受診される方もいます。
今回は、この首のまわりのイボとメタボリック症候群との関係について。
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yorozui2014721-1
久々に家で週末 夏になってました 海の日に今シーズン初の万水川、蓼川経由、犀川へ
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蓼川(これは2週前)  大雨で土砂が流れ込み、水草は泥の下になってました
saigawa2014721-2
犀川 たまに釣り人、ときどき鷺


このブログを始めたひとつの理由は、よくある(皮膚の病気(というか状態)、とくにしょっちゅ見かけるのにあまり問題にならない疾患、については教科書を読んだりして勉強しなおすことが少ない(実はほとんどない)という個人的な問題をなんとかしたいということもありました。そこで今回もアクロコルドンについて医学論文の検索サイトであるPubMedで調べてみました。するとメタボリック症候群との関係を示す論文がいくつかヒットしてきました。知りませんでした。
その中のひとつ、Akpinar先生の論文から
アクロコルドンを持つ192名とない人104名を生活習慣病に関連するいくつかの指標を比べました。
まずアクロコルドンのある方の2/3は女性で、77%は10個以下であり、首が好発部位(72%)でした。
アクロコルドンがある方はない方に比べて、高血圧、糖尿病、メタボリック症候群、に該当する方が多かった
検査値では、BMIが高い、血糖値(食後2時間後)、総コレステロールが高い、中性脂肪が高い、悪玉(LDL)コレステロールが高い、善玉(HDL)コレステロールが低い、という傾向がありました。
以前からアクロコルドンは少し体格のいい方に多いとは言われてきましたが、メタボリックと関連しているとは知りませんでした。ただ日本人に当てはまるかどうかは日本の論文を調べていないのでわかりません。
以下は個人的な空想。
アクロコルドンは皮膚がすれるようなところにできやすい印象があります。首のまわりは服でしょうか?腋やおっぱいの下、股の付け根は皮膚同士もすれることが多い場所です。肥満は皮膚が多少擦れやすくなりますので、アクロコルドンができやすくなるのかもしれません。また糖尿病は皮膚が弱くなります。皮膚の真皮に傷ができやすくなるためか、線維が増える疾患(皮膚線維腫)や肉芽腫(環状肉下種)などができることがあります。アクロコルドンも線維の増加なので、少しかんけいしているかもしれません。あくまでも空想です。

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