水虫 トレンドの移り変わり

先日日本皮膚科学会雑誌の今年の皮膚科学会総会特集号が届きました。分厚い雑誌ですが、個人的には1年間に出る書籍や雑誌類の中で最も優先的に目を通す書籍です。皮膚科の進歩が確認でき、自分の知らないことがたくさん詰まっているからです。ブログ記事のネタ探しにも使います。
今回はこの書籍から、水虫についての最近のトレンドについて(金沢医大皮膚科、望月隆教授)
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水虫(みずむし、いんきん、たむし、白癬、糸状菌)はどの人種でも15%ぐらいがもっているとされます。日本人の2500万人が水虫であると推定されます。1991年と2006年の調査結果について比較した記述がありました。
水虫は白癬菌という菌による感染症ですから、体中(頭から足まで)どこにでもできます。
1996年と2006年で増えて来た部位は、爪(全白癬症の17%から34%へ)、減った部位は股(7.4%から4.1%)だそうです。
次は原因菌。白癬菌にはたくさんの種類があります。部位ごとに感染している菌に特徴があります。1991年には頭にできる水虫は、ネコからうつるタイプが多かったのですが、2006年は格闘技などで人から人にうつるタイプが1位になりました。
望月先生はこれらの変化の原因として、少子高齢化、スポーツやペットとのかかわり方、爪白癬のキャンペーンによる一般の方の意識の変容、を挙げています。
医師になりたての頃、顔に赤いぶつぶつがたくさんできた10歳ぐらいのお子さんが来て、調べたら白癬菌がいました。聞いてみたら、捨て猫を拾ってきた、なんていうかわいいエピソードがあったことがあります。また、家に連れてこれないので公園に友達と餌を持ち寄ってこっそり飼っていた、なんてこともありました。野良猫のほぼ100%に白癬菌がいるという報告もあった時代です。今はないですね。
話題がそれます。
私は皮膚科医であり、皮膚科専門医という認定を日本皮膚科学会からいただいています。日本皮膚科学会は他の臓器の学会と同じように、皮膚科医の教育や一般の方向けの情報発信や研究のサポートや海外の皮膚科医や学会との協力やいろいろな薬や医療行為に関する公的な仕事(政府への協力や希望事項の要請)など、皮膚科に関するさまざまな事業を行っています。
日本皮膚科学会総会は毎年6月ごろに3日間開催される会議で、多くの時間を教育にあてています。早朝から晩まで複数の会場を使って40以上のテーマについて、その道に明るい先生による講演が行われます。当然すべてに出席することは物理的にできないので、聞きたい講演が重なって残念な思いをすることもあります。
しかし、この会議で行われた多数の講義(講演)の内容は、毎年12月に日本皮膚科学会の雑誌にまとめられて出版されます。今年の号も700ページ弱、厚さ2,5cmの分厚い雑誌です。1冊読むのに2日かかりましたが、大変勉強になりました。毎年楽しみにしている号です。

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