日本癌治療学会参加のため京都に来ています。昨年からメラノーマの新薬が出始めました。腫瘍免疫を上げる薬は肺がんなどの他の臓器のがんにも効くことがわかってきているため、先行した皮膚科のセッションにも多くの方が参加してくれました。明日土曜日に帰って、日曜日は地元で市民向け講座で皮膚がんの講演を行う予定です。その準備をしていて思ったことがあります。
黒い腫瘍(シミ)で切除やレーザー治療を受けるときに、ぜひお願いしたいのが写真撮影です。プライバシー保護などの問題がありますし、自分の皮疹を写真にとられることに悲しい思いをする方もいるかもしれません。。でも、皮膚科の診療には必須の検査だと個人的には思っています(医療費はかかりません。すべて医療機関の負担で行われています)。とくにホクロの切除を行う際には、写真は後に良性か悪性化を決める際にとても重要な情報になるのです.
昨朝は宝ヶ池から圓通寺まで散歩 寒かった 手がかじかみました 京都も中心部から少し離れると田園風景が残っていて、郷愁を感じます。小さいころ祖母に連れられてサトイモを掘りに行ったことを思い出しました。上賀茂神社まで行こうと途中まで行きましたがタイムリミット。断念してもどりました。
夜は琳派展へ。俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の風神雷神が3面に展示されていて豪華でした。雷神の周りに舞う細布の躍動感はやはり宗達が一段上でしょうか。琳派お腹いっぱいの展覧会でした。
月: 2015年10月
長崎で考えた
皮膚科の学会で長崎に来ました。一部空路を併用しても遠かった。今から150年前に西洋の文化に触れる(貪欲に西洋の技術を吸収したいといったほうが適切かもしれません)ために、徒歩で全国各地から集まった人たちの大変さ(熱意)を実感しました。居留地のことを研究している先生の講演がありました。講演の最後に地元の小学校の100年ほど前の記念写真が出ました。外国人と日本人の子どもが各国独特の服で、集団でまとまらずに混ざり合って整列していました。捕鯨のため、貿易のため、いろいろな目的で短期滞在していた外国人の子供たちが身を寄せていたのでしょう。混ざり合って写真に写っている点に、先生は他者に対する寛容と多様性の重要性を強調していました。戦前のほうが国際的(異文化に対する寛容さがあった)だったかもしれません。
早朝散歩 坂の街です
宗教弾圧と核兵器による被害 口にするのは不謹慎かもしれませんが受難の歴史に心が痛みました。
始発終着駅です
ノーベル生理学医学賞2015 疥癬
大村先生が今年のノーベル賞を受賞されました。先生が開発されたイベルメクチン(商品名ストロメクトール)は、いろいろな寄生虫に効きますが、人類への最も大きな貢献は、オンコセルカ症です。国内では2006年に疥癬に保険適用になり、治療がとても楽になりました。
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オンコセルカ症についてはメルクマニュアルより
オンコセルカ症(河川盲目症)は回虫である回旋糸状虫による感染症です。これによって、かゆみ、発疹、時として瘢痕、そして失明の原因となる眼の症状が引き起こされます。
この感染症は河川で繁殖するメスのブユが人を刺すことで広がります。
激しいかゆみが発生しますが、時として発疹、リンパ節の腫れ、視覚異常、もしくは失明も引き起こされます。
一般的に、皮膚にいる前期幼虫を調べることで感染症の診断が行われます。
感染がみられる地域では、イベルメクチンを年2回使用することが感染のコントロールに役立ちます。
世界中では、約1800万人がオンコセルカ症にかかります。そのうち27万人が失明し、50万人が視覚障害となります。オンコセルカ症は失明原因の第2位となっており、熱帯地域やアフリカ南部(サハラ以南)で最もよくみられます。時としてイエメン、南メキシコ、グアテマラ、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル(アマゾン沿い)でも発生します。
本当に久しぶりに庭の世話をしました。今年は不作でした。最後の収穫です。青いトマトは追熟に期待します。
秋成のパッションフルーツです。屋内に入れないと熟さないかもしれません。