日本皮膚悪性腫瘍学会で鹿児島に来ています。すばらしい講演が組まれており、とても勉強になります。個人的にほとんど診察することのない病気ですが、今後出会う可能性があるかもしれない成人T細胞性白血病に関する内丸薫先生(東大医科研)の講演で聞いた内容をまとめておきます(もし内容に間違いがあれば私の理解の問題です)
月: 2016年5月
紫斑(しはん)という言葉はまぎらわしい
紫の斑と書いて紫斑(しはん)と読みます。紫斑(しはん)は読んで字の通り、紫色の皮疹であり、大切なのは色よりも皮膚に出血しているということです。でも出血したては紫ではありません。とてもビビッドな赤です。
四半世紀の間、学生さんに、「紫斑はただ紫色の皮疹という意味ではないよ。皮膚の出血だよ。ピンクっぽい赤も鮮やかな赤も紫の赤もあるからね。見た目で決めないでね・・・」と言ってきました。たぶん100年以上前から存在してきた定義と微妙に違ったことを教えてきたのかもしれません(語源はラテン語、ギリシャ語で赤に近い紫で医学的には皮膚の出血を指す言葉と定義されています。日本皮膚科学会の説明でも、少なくても紫の成分がある・・・というニュアンスがあります。この辺は色に対する個人の感覚の問題かもしれませんが)。紫斑などという紛らわしい言葉を使うから面倒な説明をしないといけなくなるのではないか・・・もう出血斑でいいのではないか、といつも思うわけです。今回は超個人的な愚痴です。
息子が岐阜から持ち帰った生茶葉を紅茶にしてくれました。熟成後に炒ってます。
何も入れていないのにミルクと砂糖を入れたような甘みの強い紅茶になりました。緑の茶葉が”ちゃんとした”紅茶になったのがとても不思議だった。
今シーズンの野菜を植え付けました。定番のトマト、ナス、キューリです。
“紫斑(しはん)という言葉はまぎらわしい” の続きを読む
日焼け止め サンスクリーン剤の選び方 2016
ゴールデンウイークも今日でおしまいですね。当地は風は強かったものの天気の良い日が多かったように思います。今回は時季ネタで簡単な日焼け止め(サンスクリーン剤)の選び方です。米国の米国環境ワーキンググループ(the Enviromental Working Group, EWG)からの注意喚起についても触れます。
日焼け止めは今まで何度も記事にしてきたテーマです(古い記事は内容が正確でないものがあるかもしれません)。日焼け止めはどこに塗る(2007)、サンスクリーン剤の成分(2008)、サンスクリーン剤の成分の安全性(2008)、日焼け止めの選び方(2010)、サンオイルって何が入っているんだ?(2012)、サンスクリーン剤の量と効果(2012)、サンスクリーン剤の容器ラベルの見方(2013)
ゴールデンウイークも最終日は観光客の数もだいぶ少なくなりました。明日からまた日常が始まりますね。カヌーのついでに2種類の日焼け止めの効き具合を試してみました。
早期の皮膚がんを疑うサイン 75歳以上の顔 赤い皮疹
皮膚がんで多いのは、基底細胞がん(きていさいぼうがん)、有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)、メラノーマ(悪性黒色腫)です。今回は早期の有棘細胞癌の見分け方について。
がんは一晩ではできません。とくに有棘細胞がんは盛り上がってくるまでに最低1-2年、普通は数年以上かかると思います(個人的な感想です)。頭や顔、耳などにできる場合(紫外線が原因です)、始まりは小さな赤い平らな皮疹です。見分け方について説明します。
春の川です。鯉のぼりが舞っていました。
“早期の皮膚がんを疑うサイン 75歳以上の顔 赤い皮疹” の続きを読む
カメムシ
以前このブログで触れたカメムシの記事を論文にしてみました(年末の休みに書いたのです)
Orange pigmentation spots on the sole may be from a stink bug
足の裏にオレンジ色の点々ができた患者さんがいて、原因がわからず何年かもやもやしていました。偶然読んだ医学雑誌にそれがカメムシを踏んだことによる色素沈着であることが出ていて、長年?の胸のつかえがとれてすっきりしたという記事です。足の裏にオレンジ色のシミが突然できた
このブログでは初めてのリバイバル写真です(元記事はこっち)。うちの庭のコリアンダーに来たカメムシです。Wikiではカメムシはコリアンダーの匂いがする、と書いてありました。緑のカメムシは美しいです。でも足に色を付ける(本人は踏まれるので本望ではないと思いますが)クサギカメムシは灰色で地味です。
引っ越しました
うはら皮膚科へようこそ。FC2で2007年3月にこのブログを始めてから9年が経ちました。いろいろな事情からこちらに引っ越すことにしました。
元の場所 うはら皮膚科(仮想クリニック)