医学用語の変換

新しいパソコンに、新しく文章作成ソフトをインストールし、医学辞書を入れないで日本語で医学関連の文章を書きはじめると、尋常ではないストレスが発生します。うまく変換されない言葉が次から次に出てくるからです。でも、このことは医学用語がいかに一般的に使われない言葉の宝庫であるか?(つまり患者さんや一般の方向けの説明の場面において、医者同士の会話と同じように話すと全く通じない)ということが認識できるので、最近はむしろ数日間はその不便を楽しむようにしています。でも、気を付けないといけないのは変換ミスに気付かなくなることです。たとえば”奏功”と”奏効”です。

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先月行ったユトリロと彼のお母さんがすごしたアトリエ。どこか学生時代に所属したクラブの部室に似ていて懐かしく感じた。。。

20年ほど前、カルテが電子化され始めた頃は文書変換能力が低く、たとえば「はんげつばん」といれても正確に変換されないので、整形外科の先生が「はん、つき、いた」と入れているという笑い話もありました。そういえば、文章作成に特化した”ワープロ”がパソコンに勝っていた時代もありましたね。

医学辞書の入っていないワードを使ったときにどのような言葉が変換されないか?ということをメモっておかなかったので具体的な言葉を忘れてしまいましたが、記憶に強く残っているのは、皮膚の症状を医学的に表現するときに用いる言葉”紅斑、こうはん”はまず出ません(なんと今自分のPCでも変換されませんでした。日本語の症例報告を長いこと書いていなかったためです。反省。)。後半、広範、公判、鋼板、工販・・・などが挙がってきます。皮膚の水ぶくれを水疱(すいほう:やまいだれです)といいますが、普通は水泡に変換されます。

奏効(そうこう)は”がん”を一応専門の1つにしているのでしょっちゅう使う言葉です。ただ普通は”奏功”と変換されてしまいます。

三省堂大辞林 Weblio より(http://www.weblio.jp/content/%E5%A5%8F%E5%8A%B9)

奏効する・・・効き目が現れること。効果をあげること。 「改革が-する」 〔同音語の「奏功」は功績をあげたり良い結果を得ることであるが,それに対して「奏効」は効き目が現れることをいう〕

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