2011年2月22日の記事の再掲です。ホクロは切除したらいけないのか?
先週末に高校の同窓会がありました。30年ぶりです。卒業以来初めて会った同級生もたくさんいました。
そんな中で聞かれた質問です。
ホクロを切除したら危ないか?
ホクロとは良性の皮膚の腫瘍です。
ですからホクロを切除しても何にも悪いことはありません。
ただ確かにホクロときちんと診断したあとであればです。シミにはたくさんの種類があります。黒いシミを一緒くたにし、診断をきちんとしないでレーザーなどで焼くようなことをすると、非常に確率の低いロシアンルーレットのようなことになります。
メラノーマという黒い皮膚のがんがありますが、でき始めはやはり小さくて黒いのでホクロと見分けが難しいのです。良性のホクロはある程度育ったら横方向の成長は止まりますが、メラノーマはむしろ盛り上がらずに横方向(水平方向)に拡がっていきます。
では、小さいしみは見分けがつかないから早く切除したほうがよいのでしょうか?そんなことはありません。メラノーマだって小さいうちは大人しいのです。7mm以下で明らかに良性と判断できない場合には少し時間をおいて変化を観察することが多いと思います。特に3mm以下は良性か悪性かわからないので自分でときどきみてもらうだけでよいと思います。
子どものときは(サイズが小さいシミは)、将来悪人(メラノーマ)になるか全うな人(ほくろ)になるかわかりません。ただし、人間のこどもは途中で良くも悪くもなりますが、メラノーマはたぶん小さいうちからメラノーマであると思います
*2021年1月追加コメント:日本人のメラノーマの5%ぐらいは子供の時からあったホクロが(多くは思春期すぎに急に大きくなったっり一部が盛り上がってきた)変化してきた、というエピソードがあります。たぶんホクロからメラノーマが発生したのだと思います。このメラノーマには特徴があります。まず20-40歳の若い方(とくに女性)、頭の毛の生えている部分・胸腹背中・手足を除く腕や下肢に多い。BRAFという遺伝子に異常がある。・・・つまり白人に多いタイプです。色白の方が多い印象もあります。)。
皮膚科にかかったほうがよいシミは、思春期以後に初めてでてきたシミで、大きさが7mmを超えたものです。鉛筆の断面を当ててはみだしたら7mm以上あります。良性のホクロでもけっこう育ちますが、成人以後に出たものは3mm以上にはあまりならずにむしろ上に盛り上がってくることが多いと思います。ただし、7mmを超えたからといってメラノーマである確率は低いのでむやみに心配する必要はありません。7mm以上でもほとんどがちょっと大きくなりすぎたホクロです。
ここまで2011年の記事です。
以下、記事とは関係ありません。家の近くの円山動物園も雪に覆われました。