いったいどんな種類の皮膚疾患をもった患者さんが皮膚科に良く来るのでしょうか?
過去の統計や個人的な感覚では、湿疹が半分強、次に水虫などの感染症が多い印象です。
昨年夏に日本皮膚科学会が集計した資料から(日本皮膚科学会雑誌119巻、2009)。
全国の大学病院76、病院55、診療所59、の計190施設で2007年5月、8月、11月の2週目のどこか1日に来院した患者さんの調査結果です。67448名分が集まりました。
それではランキング(3つの季節をあわせたもの)。これまでこのブログでとりあげたことのある疾患には記事へリンクさせました。興味があったら見てください。
1位 その他の湿疹 18.7%
2位 アトピー性皮膚炎 10%
3位 足白癬 6.5%
4位 じんましん 5%
5位 爪白癬 4.8%
6位 ウイルス性イボ 4.5%
7位 乾癬 4.4%
8位 接触皮膚炎(かぶれ) 3.9%
9位 にきび 3.6%
10位 脂漏性皮膚炎 3.3%(しろうせいひふえん・・・ふけ症のひどいやつ)
11位 手湿疹 3%(手あれ)
12位 良性腫瘍(19位除く) 2.5%
13位 円形脱毛症 2.45%
14位 帯状疱疹 2.4% (帯状疱疹2)
15位 皮膚潰瘍 2%(糖尿病性以外のもの)
16位 痒疹(ようしん) 1.8%
17位 粉瘤(ふんりゅう) 1.8%
18位 尋常性白斑 1.7%
19位 脂漏性角化症 1.6%
20位 薬疹、中毒疹 1.5%
ここまでの計 85%
この中で、1,2,8,10,11は湿疹皮膚炎群として同じ仲間扱いにすると全体の38%、また3と5を一緒にして水虫は11.3%であわせてだいたい外来患者の半分になります。
季節性がないかみてみると、5月は18位の白斑のかわりにタコと魚の目がランキングします。8月は18位の白斑と20位の薬疹・中毒疹のかわりに、動物性刺症(虫刺され)と伝染性膿痂疹(とびひ)がランキングします。2月は18位の白斑にかわり熱傷(やけど)がランキング入りしたそうです。季節感がありますね。
よくある皮膚疾患についてだいたい関連する記事はありましたが、まだ触れていない病気もあることがわかりました。また書きます。