暑い日が続いています。当地だけでなく近隣の町にも大雨警報が連日出ていますが、私の居住する地域にはこのところ全く雨が降りません。2週間以上降っていない印象です。さて、夏は皮膚にトラブルが起きやすい季節です。個人的な印象では昔ほど皮膚疾患に季節感がなくなった感じがしますが、大学病院という特殊なところで患者さんをみているからかもしれません。
安易ですが、これまでに書いた記事の中で夏に多い疾患をまとめておきます。虫と感染症です。
昨日は美しい夕焼けでした
エバンゲリオン展を見てきました。TVも映画も見ていないのでわからない部分も多かったのですが、映像を作る大変さは伝わりました。
カテゴリー: よくある皮膚の病気
お山の診療所2015
今年はスケジュールの都合で登れないと思っていました(決めつけていた)。でもすき間は(なんとかすれば)あるもんで、やっぱり行くことにしました。毎年山が怖くなる感じがします。今回は直前の出張で「凍」という小説(先週焼き鳥屋さんでもらった)を読んだのでよけいに山が怖くなりました。山登りも川下りも最中はなにかをボーと考えていることが多いのですが、山は一つのツマヅキが滑落につながるので、去年からは危ない個所は靴を置く場所を意識して余計なことを考えずに足元に集中して登り、降りるようになりました。
今回は天気に恵まれました。幸い患者さんもなく、診療所に置いてあった又吉さんの「火花」を読んで1日が終わりました。
ちょっとやりすぎだと思ったのですが、アブに喰われながらかなり無理な姿勢で撮りました。ここ2年はiPodしか持ちません(元写真部としてはどうかと思いましたが、録画してあった夜タモリで篠山紀信がiPhone?を使っていたのですごく安心しました。ところで、この人何歳?でしょう。私は中学生の頃から尊敬してました)。しかし、心配していたとおりコマクサを撮影中に岩にぶつけてジャミ(家内に教わったのですが表面のガラスにヒビが入るのをジャミジャミというのだそうです。私のiPodのヒビは2か所なのでジャミです)
一句 ”想い出を拾いつついく山の路”
お腹のしわの間が赤くなってただれている 腰の曲がったおばあちゃん
暑い日が続いています。蒸し暑い時期には皮膚と皮膚のくっつく場所がただれる方がいます。おっぱいの下やおへそのしわの間などです。間擦疹(かんさつしん)といいます。他に可能性のある疾患はカンジダ症です。薄い膜が浮いていたり、周囲に赤い1-2㎜のぶつぶつが目立つ場合はカンジダがついている場合があります。
暑くなりそうだったので涼しいうちに川へ
他の船もちらほら
近所の市営球場で母校が出る試合があることを知って急遽応援に 9回表で4-4
残念ながらベスト8には進めませんでしたが、良くやりました。泣きながらベンチにもどる選手や眼を真っ赤にしている応援席の方を見るとこっちも涙が出そうになりました。球場の出口で自転車に乗ろうとしたら、知らないおじいさんに声をかけられました。「高校野球はいいねぇ。元気をもらえる」「そうですね」と答えたら「医者にかかるより元気になるな」 球場も暑かった。
イミテーションゲーム
今年の春ごろに封切られた映画です。第二次世界大戦のときにドイツ軍の暗号を解き明かして戦局を一変させた天才数学者のお話です。とても感動的な(あるいは人間の愚かさをしみじみと感じる)映画でした。数学者の名前はアラン・チューリングといいます。
映画を見てからしばらく経ったころ、書店(わが町には大きな書店がたくさんあるのです)でイミテーションゲームとチューリング関連の本を集めたコーナーがありました。そこでやっと気づいたのです。前にこのブログで紹介したコンピューターの基礎理論を提唱した人の話だったんだ、と。
イミテーションゲームのフィクションとノンフィクションという題で近藤先生が記事を書いておられます。おすすめです。
このブログも始めてから8年が過ぎましたが、拍手の多い記事と少ない記事の違いがどこにあるのか、書いてる本人には全くわかりません。文献をきっちり読んで苦労してまとめた自信作でも拍手はまばらです。もしよろしければご覧ください。
皮膚の模様ができるわけ(事件は現場で起きている)チューリング理論
頭がかゆい
頭(髪の毛が生えているところ、被髪頭部ひはつとうぶ)がかゆい、ふけが多い、皮膚がごわごわしていて固く、感覚がにぶくなっている(触るとななにか膜で覆われているような)。中高年の男性。顔や首には皮疹はない。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)・・・いわゆるフケ症と診断されることが多いと思います。でも個人的には洗髪に用いるシャンプーや洗い方に原因があるのではないかと思っています。今回の記事は、ごくごく個人的な意見であり、特に公的に認められている意見ではありません(為念)。
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頭がかゆい(子供)
髪の毛に白い小さいかたまりがたくさんついている。子供。シラミ?
台風が去って急に暑くなりました。今年3回目の犀川。川の途中でカヤックを降り、浅瀬を少し散歩しました。蝉の声を今シーズン初めて聞きました。夏が来たね。
雨のあとは川がきれいになります。犀川本流にも美しいバイカモが。花も少しついていました。
難病指定
今年の1月と今月、医療費の負担が減る(公的扶助が受けられる)疾患(難病指定)が増えました(所得によって個人が負担する金額は変わります)。皮膚科で診る疾患を抜粋してみました。該当すれば申請すれば医療費が軽減する可能性があります。「難病」という名前がついていますが、治りにくい、あるいは治る見込みの少ない病気はたくさんあります。規定されてる「難病」の定義は、単に「治療が難しい病気」というという意味ではありません。医療費がうなぎ上りに増えている中で、公的な援助が必要と思われる疾患を支えられる範囲で(まだまだ援助すべき疾患はあると思う)指定したという感じでしょうか。何らかの公的援助が必須なのに難病指定されていない病気のいくつかが追加になりました。患者さんにとってはよいことだと思います。 追加された疾患をまとめてみました。昔から通っている患者さんに説明しないといけないですね。
金土と大阪で皮膚がんの学会に出席しました。座長1件、発表5件。なんとか乗り切りました。今日は家族に誘われて紫陽花で有名な地元のお寺を2つまわりました。石碑に「紫陽花や薮を小庭の別座舗」芭蕉。
進行した皮膚がん患者を皮膚科医がみている国はとても少ない
世界皮膚科学会というなんだかすごい名前の会議に来ています。世界から1万5000人ぐらいが参加する数年に1回の会議です。バンクーバーの会議場は各会場のスペースが広く、またうまく配置されています。今日の午後は、ダーモスコピーと皮膚がんの治療に関するセッションが最も大きな会場で行われたのですが、参加者はあまり多いとはいえませんでした。特にメラノーマの治療のセッションはがらがらでした。演者が最後のスライドに「皮膚科医はメラノーマの治療を手放すな」というメッセージを出していました。
実際に転移を起こした皮膚がん患者を皮膚科医が診ている国は、私の知る限り、ドイツ語圏と日本だけですので、興味がないのはしかたがないのかもしれません。米国を含め多くの国では、最初の診断と生検と外来で処置できる軽症の皮膚がん以外は外科や腫瘍内科医に送ってしまうようです。
数年前、メラノーマの学会で「日本は最初の診断から積極的な治療ができなくなるまで皮膚科医がかかわっているのだ。」と胸をはって話したら、「日本は遅れているな。がんの治療体系が分業されていないのか」というコソコソ話を会場で聞いたと同僚に言われたことがありました。ある意味正しくて、かなりくじけました。ただ、まだ自分たちの方がきちんと診ることができると思ううちは(もちろんできないことやわからないことは専門の科の先生にお願いしているのは昔から一緒ですが)できる限りは患者さんと付き合いたいと思っている日本の病院勤務皮膚科医は少なくないと思います。
おいしいカキと小さいカップに表面張力ぎりぎりについでくれる(日本の屋台のコップ酒ののように)テーブルワインに酔って、愚痴気味のコメントになりました。
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バンクーバーに来ました
お魚のアレルギー
日本皮膚科学会総会という皮膚科で一番大きい会議で横浜に来ています。島根大の千貫先生の講演がとてもおもしろかったので忘れないうちに一部をまとめておくことにします。アレルギーの症状にいくつかのパターンがあり、そのパターンから原因が推測できるようです。
パターン1:アトピー性皮膚炎がある方(10代の若い方):魚を食べたらノドがイガイガした、唇が腫れた、息が苦しくなった・・・魚の成分(パルブアルブミン)
パターン2:お魚を食べてから運動したら全身の皮疹や息苦しさや咳や鼻水や腹痛などのアナフィラキシー症状が出た(運動誘発型)・・・魚の成分(ゼラチン、コラーゲン)
パターン3:高齢者が急に魚のアレルギーになった・・・アニサキス
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早朝のみ遠方に富士山が見えました。なぜかうれしい。
書を売って、町に出よう
今から35年前、よく通っていた焼き鳥屋の隣の古本屋の前に出ていた看板です(この店は後にビニールで包まれた悪書を売る書店になりました)。記憶違いでした。学校のそばの別の古本屋でした。元の題は、[書を捨てよ、町に出よう」・・・寺山修二の評論集です。今朝の新聞に出ていた寺山修二の記事を読んだら、ふと学生時代の1980年ごろを思い出したのです。原題はたぶん、「机上の学問より(今風なら、何かを始める前にインターネットであれこれ調べるより)、現場に飛び込め」、という意味だと思うのですが(間違っていたらすいません)、「書を売って町に出よう」・・・は、(もちろんパロディーですが)個人的には[町」は「すすきの」をイメージしました。実際に教科書を売ったことはありませんが、医学書は高価なので、何点か古本屋で購入したことはあります。
先週、ある編集者の方とお話をする機会がありました。医学書が売れないのだそうです。医師や医学生用の書籍については最近のことではなく、かなり以前からのようです。看護師さん向けの本は売れていたようですが、ここ1-2年はそれも落ち込んできているようです。普通の教科書的な記述はWeb上で国際的に認められた内容を見ることができますから、本を買う必要性は減っているのかもしれません。また、国家試験が難しくなっているため、ある程度効率的な勉強法が必要になっていることが関係しているかもしれません。紙の医学書(専門書)が生き残る道はどこにあるのか?ちょっと考えてしまいました。答えはまだ?です。
イチゴが色づきはじめました。器量はいまひとつですが野生のうまみでいっぱいです。