猫に咬まれた 犬に咬まれた

今週猫にひっかかれたキズのまわりが痛むという症状で受診された方がいました。傷は腕に数箇所あり、引っかき傷というよりは数㎜の深い刺し傷が数個点在していました。特に周囲に赤みもないのですが、全体に重い痛みがあるとのことです。脇のリンパ節も腫れていません。経過は朝、飼い猫が近所の猫の侵入驚き、錯乱状態になって暴れ、爪を立てたのだそうです。刺さった爪はなかなか抜けなかったとのことでした。外来に来られたのは当日の午後の早い時間でした。
これ気をつけないといけないんですよね。ネコやイヌの口のなかにパスツレラという菌がいます。多くは咬まれて、まれにひっかかれて感染することがあります。
ムカデ
庭にムカデがいました 初めてです
アンプ
真空管3個からなる出力1.6Wの小さいアンプ。
いい音出てます。焚き火がわりです。 


サンフォードガイド(SANFORDGUIDE 熱病より・・・アメリカの本です)によれば、
・・・研修医がよく持つ(私も持ってますが)感染症(かんせんしょう:バイキンやウイルスなどによる病気)に対して使用すべきお薬がおすすめ順に3番目ぐらいまで載っている携帯用の本・・・・・
ネコに咬まれたときに感染する確率は(北米のデータで)80%と書いてあります。対して犬は5%。日本の報告でも動物に咬まれたあとにバイキンが入って治療を受けた患者さんの70%ぐらいはネコが多いようです。残りが犬です。
パスツレラという菌はあなどれない菌で、高齢の方や糖尿病などの免疫が弱くなる病気をもっている方では2-3日中に化膿が進み命に関わる状態におちいることがあります。安曇野赤十字病院からの報告では犬猫にかまれて細菌培養をしてパスツレラが出た患者さん12例(10年)で、48時間後の遅い受診や持病を持っている方では治るまで1ヶ月以上かかっています。なお、10年で犬猫に咬まれて同病院を受診された方は416人いたそうです。たぶん菌は調べなかった(あるいは検出できなかった)が、抗菌剤を投与して事なきを得た方が相当いたと思います。
手の甲をかまれることが多いと思いますが、手の甲は触ってもらうとわかりますが、皮下全体を被う筋肉がなく、化膿すると指の骨と骨の間のすきまに炎症が広がり、トンネルのように深くなります。治療が大変です。
治療はサンフォードガイドによれば、オーグメンチンというペニシリン系の抗生物質(合剤)が第1候補になっています。内服薬です。この薬、安いけどいろいろな感染症に第1選択になっている良い薬です。
まとめます。
ネコやイヌに咬まれたら様子をみていないでその日のうちに病院に行って、内服薬をもらいましょう。科は救急でも外科でも皮膚科でもOKです。消毒だけ、ていうのはだめよ。イヌ、コウモリ、アライグマ、スカンク(こんなのはその辺にいそうもないけど、北米のガイドラインだから)の場合は、狂犬病の予防もしてもらいましょう。
このサンフォードガイドの面白い(実践的)のは、ネコ、イヌの咬み傷の項目に、コウモリ、アライグマ、スカンクのほかにも、ブタ、プレーリードッグ、霊長目(ヒトをのぞく)、ネズミ、アザラシ、クモもでており、それぞれに対応策が書いてあります。
ヒトは?・・・・・もちろん出ています。感染率はイヌを上回ります(イヌより口の中がきたないということではなく、感染する菌の種類が異なる・・・ということだと思います。ヒトの尊厳のために為念)。他の動物たちの咬み傷に対する第1選択は飲み薬ですが、ヒトの場合は3時間以内で症状がない場合は予防的な飲み薬ですが、3時間を超えて感染の症状がある場合は抗生物質の静脈注射をやるようにと書いてあります。
イヌに咬まれたときより治療は大変なことは確かですね。ところでヒトに咬まれるというのは?想像すると、その状況も恐ろしいような。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です