ASCO(米国臨床腫瘍学会)3日目

ASCOも3日目になりました。実際の会期は5日間ですが、内容の濃い3日間だけ出席しました。会議場であるマコーミックはシカゴ経済の救世主のようです。重工業がすたれ、厳しい冬に覆われるこの地にこの会場ができたおかげで、定期的に学会のために何万人かの人がやってくるわけです。施設は巨大で、西のポスター会場から東の口演の会場まで急ぎ足で8-10分ぐらいかかります。会議場の巨大さと米国各地からのアクセスの良さが効いているのかもしれません。広い会場にもかかわらず会場の混み具合は相変わらずです。

会議の印象をまとめておきます。

 

会議の印象をまとめておきます。

メラノーマについて

数年前より(日本では2014年より承認)担癌状態における免疫低下を改善してがん細胞をたたく治療薬:免疫チェックポイント阻害剤の抗PD-1抗体と抗CTLA-4抗体、BRAFという遺伝子に変異があった時に効くBRAF阻害剤とMEK阻害剤が出現しました。今回の会議では、それぞれの効果や併用した時の効果、その効果がどれだけ続くか、といった点について最新のデータが発表されました。

日本では2年前までメラノーマに効く薬はほとんどなかったので、治療薬を選べるほどの駒がありませんでした。しかし、効く薬が複数出てきたことで、どれを最初に使うのか?次に何を使うのか?効いたらいつ止めるのか?副作用にはどのように対応するのか?もっと効果を上げるためにはどの薬を組み合わせたほうがよいのか?などのといたくさんの疑問が出ててきました。

今回の会議では免疫チェックポイント阻害剤、BRAF阻害剤とMEK阻害剤の長期データ(治療を受けた患者さんの何年か後の状態を見たデータ)、抗PD-1抗体と抗CTLA-4抗体の併用効果、などについて長期的な効果を検証した報告が多かった感じがします。

今回の会議では、どれを最初に使うのか?次に何を使うのか?効いたらいつ止めるのか?副作用にはどのように対応するのか?もっと効果を上げるためにはどの薬を組み合わせたほうがよいのか?などのたくさんの疑問に対してこれまでうすうす感じてきた印象が大きく変わることは個人的にはありませんでした(ぼやっとしたこれまでの印象に少し確信がついた感じはありますが)。

でも、会場の外のロビーやクローズの会議で個人的に疑問に感じていることを国内外のエキスパートの先生たちにいろいろ聞いて得られた情報はとてもためになりました。ASCOを含め、会議のおおよその内容は実際に出席しなくても国内からWEBで見ることができます。でも、文字にならない(文字にできるほどの証拠はなく、個人的な経験に基づく)本音は顔を付合わせないとえられませんね。充実した3日間でした。明日帰国します。

 

 

“ASCO(米国臨床腫瘍学会)3日目” への 1 件のフィードバック

  1. 最近、時々立ち寄っています。最新の情報をわかり易く発信していただき、ためになります。やはり、メラノーマ、色素関係の事はまずこのサイトチェックです。
    過去の記事も秀逸。小生山が好きなこともあり、信州の自然や植物なども目の保養になります。
    「皮膚科診断を極める」本も気になり、つい「アマゾン」をクリックしてしまいました。
    ますますのご活躍を。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です