ネコに咬まれた 犬に咬まれた

猫や犬などのペットが家族と同じように重要なパートナーとなっている方は少なくないと思います。ただし、ペットからうつる病気がたくさんあります。ペットと暮らしている方の人数を考えればリスクはかなり低いとは思いますが、特にイヌやネコに咬まれたときの注意点について紹介します(2010年と2013年の記事の焼き直しです。

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「飼い犬に手を咬まれる」などという言葉があるぐらいですから、飼い猫や飼い犬に咬まれることは基本的にはあまりないことです。しかし、たとえば子猫(咬む力の加減がまだわからない)やペットが突発的な恐怖(知らない人からなでられた、尻尾を踏んだなど)を感じだときには、飼い主を咬むことがあります。普段一緒に生活しているパートナーから咬まれたのだから消毒して様子をみることも多いと思います。傷も2‐3㎜の小さな穴だけのこともあります。

しかし、動物に咬まれた時は軽く考えない方が良いと思います。

一番怖いのは狂犬病です。自分の飼い犬が人を咬んだ場合は、飼い主には様々な対応義務が課せられています。たとえば東京都の条例では、

【飼い犬が人をかんでしまった場合】

東京都動物の愛護及び管理に関する条例(東京都福祉保健局HPより
第29条 飼い主は、その飼養し、又は保管する動物が人の生命又は身体に危害を加えたときは、適切な応急処置及び新たな事故の発生を防止する措置をとるとともに、その事故及びその後の措置について、事故発生の時から24時間以内に、知事に届け出なければならない。
2 犬の飼い主は、その犬が人をかんだときは、事故発生の時から48時間以内に、その犬の狂犬病の疑いの有無について獣医師に検診させなければならない。

犬に限らず(咬まれて感染症を起こすのはネコの方が多いです)、創が深い場合(ぐっさり咬まれたとき)や数時間後から翌日にかけて傷の周りが赤くなってきたときはすぐに病院に行ったほうが良いと思います。特に糖尿病の方、何らかの免疫を押さえるお薬を飲んでいる方、体が弱っている方、は、咬まれた時点で即、受診をおすすめします。

理由1:めずらしいけれど死にいたる可能性がある菌がいる。

理由2:48時間以上たってからの遅い受診では、治るまで1カ月以上かかることがある。

動物に咬まれて感染する病気はたくさんありますが、特にカプトサイトファーとパスツレラについて説明します。

1.Capnocytophaga カプノサイトファーガという菌です。「昨日元気で、今日ショック」などと呼ぶ先生もいるぐらい急速に状態が悪くなって25%ぐらいが亡くなる感染症だそうです。

参考:Derma 206(荒島康友先生)

菌を持っている率:犬74%、猫57% 口腔内常在菌(ふだんからいる菌で、本人にとっては特に問題にならない)です。

死亡率:25.8% 来院2日以内に敗血症で死亡する。 お年寄り、免疫の低下している方などは注意が必要ですが、健康な方も発症します。感染症医の言葉で「昨日元気で今日ショック」・・・恐ろしい言葉です。症状:咬まれたところに症状がない(赤みや腫れなど)ことが多い。発熱、下痢、倦怠感、腹痛、悪寒、嘔吐、だそうです。咬まれたところに症状がなかれば皮膚科には来ないかもしれませんが、症状が少しある場合もあるそうなので覚えておかないといけないと思いました。救急部からコンサルトされるかもしれませんし。

2.パスツレラ症

名前のからわかるように、パスツール先生が家きんコレラにかかった鳥から分離同定した菌だそうです。ネコの唾液中に100%、犬は80%が持つといわれ、彼ら(?)にとってはなんてことはない常在菌です。しかし人にとってはなかなか厄介です。この菌に感染すると、高齢の方や糖尿病などの免疫が弱くなる病気をもっている方では2-3日中に化膿が進み命に関わる状態になることがあります。安曇野赤十字病院からの報告では犬猫にかまれて細菌培養をしてパスツレラが出た患者さん12例(10年)で、48時間後の遅い受診や持病を持っている方では治るまで1ヶ月以上かかっています。なお、10年で犬猫に咬まれて同病院を受診された方は416人いたそうです。たぶん菌は調べなかった(あるいは検出できなかった)が、抗菌剤を投与して事なきを得た方が相当いたと思います。
手の甲をかまれることが多いと思いますが、手の甲は触ってもらうとわかりますが、皮下全体を被う筋肉がなく、化膿すると指の骨と骨の間のすきまに炎症が広がり、トンネルのように深くなります。治療が大変です。治療はサンフォードガイドによれば、オーグメンチンというペニシリン系の抗生物質(合剤)が第1候補になっています。内服薬です。この薬、安いけどいろいろな感染症に第1選択になっている良い薬です。

 

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