生命は海に生まれ、陸に上がった だから舌癌は白くふやける

口の中のただれ(潰瘍:かいよう)のために皮膚科を受診する方は少なくありません。舌癌は表面が白くふやけていたり(白斑症はくはんしょう)、赤くただれたように見えます。白くふやけたり、赤くただれても癌とは限りません。癌以外にたくさんの病気があります。でも30年以上皮膚科をやっていて、舌癌を疑って歯科口腔外科に紹介した患者さんは2‐3例しかありません。今回はなぜ口の中のがんは白くふやけるのか?です。

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口内炎が治らない 皮膚科でも対応できます

比較的大きな病院の外来の入り口には、「どの科にかかったらよいか?」ということを案内する窓口が用意されています。看護師長レベルの方が日替わりで対応していることが多いと思います。どの科にかかるのがベストかを決めなければいけないので総合診療科的な診断能力とその病院にある各科の得意分野などを把握している必要があります。重要な役割です。

口内炎は症状から大きく2つに分けると、1㎝以下の丸く白く深い口内炎(アフタ性口内炎)とそれ以上の大きさの(形が丸くない)ただれに分けて考えるといいと思います。前者はけっこうよくあって、1-2週で治ります。治ってしまうようなら問題ありません。医学生に「アフタ性口内炎と言えば?」と聞くと「ベーチェット病です」とすぐ答えます。・・・がベーチェット病は稀です。もっと注意しなければいけない口内炎は後者です。口蓋(こうがい:口の中の天井の部分)、頬の粘膜、歯肉や舌がただれてなかなか治らない。まず皮膚科医が考える病気は頻度順(よくある順)に・・・天疱瘡、扁平苔癬、薬疹>>>膠原病、免疫不全>>>>>癌、です。最初の、天疱瘡、扁平苔癬、薬疹は皮膚科が扱う病気です。口の中のただれで治りにくい場合は皮膚科も候補にいれていただくとありがたいです。

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