利き腕と反対の手が荒れている 手荒れ

コロナウイルスの感染対策でアルコールで手をしょっちゅう消毒するせいか、少し手が荒れ気味です。このアルコールもいつまでもつか心配です。

手荒れの多くは洗剤とお湯による皮膚の表面のバリア(あぶら)が落ちたところに食品などの様々なものが皮膚に染み込んでかぶれていることが多いと思います。主婦湿疹などと呼ぶことがありますが、これはちょっと(すごく?)問題のある病名かも知れませんね。一人暮らしを始めた学生や社会人1年目の男性がそろそろ外来にぽつぽつ来始める季節です。(人のことはいえませんが)お母さんにこれまでずっとやってもらってきたこと、家事、の大変さに気づくわけです。もちろん職業性のものもあります。

手荒れ、とくにかぶれ(かぶれ(接触皮膚炎:せっしょくひふえん)は、よく使う方の手が荒れますから、右利きの方は右手の方が左手より症状が強いことが多いです。でも逆だったら・・・・・。医師になったばかりの1年目、先輩の先生が患者さんに利き腕まで聞く必要性を教えられて驚いたことがあります。皮膚病は原因が身の回りの生活と密接にかかわっていることが多いので、患者さんにいろいろ聞く必要があります。

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絆創膏(ばんそうこう)による皮膚炎

かぶれ(医学用語で接触皮膚炎)は皮膚に起きるアレルギーの代表的な疾患です。アレルギーでない場合もあります。たとえば洗剤やお湯などで皮膚表面の角層(大切なバリアです)が壊れ、皮膚から保湿成分が抜けてガサガサになってしまう・・・これはアレルギーではありません(ただし、バリアが壊れた皮膚から食品や植物の汁などがしみ込んで、次に本当のアレルギーになることはよくあります。)

かぶれは原因となるものに触ってなるため、触ることの多い(よく使う)部位に一番強く症状が出ます。右利きなら右手の親指と人差し指がいちばん荒れやすい部位です。右利きなのに左手の症状が強い場合はなぜそんなことが起きるのか考えなくてはなりません。

たとえば、

シャンプーやリンスや化粧品のローション剤のかぶれ・・・ローション類は右手でボトルをつかんで左手の手の平に出します。よって左手の中央に一番強い症状がでます。

たとえば左手の甲に症状が強い・・・なぜか手の水虫は利き腕と反対の手の甲に一番強い症状が出ることがあります。たぶんあまり使わない部位のほうがいごこちがいいのかもしれません(全く個人的な印象です。根拠はありません。)

最近も右利きなのに左手のほうが症状が強い方が受診されました。職業は調理師さんでした。通常包丁を持つのは右手、左手で食物を抑えます。扱っている食材の何かが合わないようです。

かぶれはよくある疾患ですが、その原因を突き止めるのは推理小説を解くのに似ていて、皮膚科医の腕の見せ所です。原因がはっきりすれば治療も不要になります。ただ手は使わずにはいられないので予防はなかなか難しいですね。

先週ぐらいから延齢草(エンレイソウ)が咲き始めました エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)も一緒

繁殖期だそうです。

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