ジンバブエのがん

米国臨床腫瘍学会(ASCO)に来て3日目です(学会としては4日目)。会場で毎日タブロイド判の新聞が配られます。すべてを持って帰るとかさばるので皮膚がんに関連した記事のみを切り取って他は処分します。本日分の新聞にはあまり皮膚科に関連した記事はありませんでしたが、ジンバブエのがんの状態についての記事がありました。

朝の散歩 気持ちいいです

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シカゴに来ました

アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO;アスコ)出席のためシカゴに来ました。がんの治療に関する世界最大(たぶん)の会議です。この数年と今後の数年、毎年シカゴで6月の最初の週末をはさんで開催されます。6月の最初の週末は日本皮膚科学会総会(日本最大の皮膚科の会議)がほぼ必ず行われるので、ほぼ必ずバッティングします(ちなみにASCOに出席する日本人の皮膚科医は10名以下ですので、ほとんどの皮膚科の先生にとってはあまり問題になりませんが)。昨年と一昨年は日本の会議に出てASCOには来ませんでした。今年は金曜日の初日のみ京都で開かれた会議に出て(関係者の方々に調整いただきました)、土曜日の朝に大阪、成田と乗り継いで朝オヘア空港に着きました。

ASCOでは治療方針を大きく変えるかもしれない大切なデータや新しい薬剤の情報を含む多くの発表が行われます。睡魔と闘いながら(ときどき、負けながら)1日目が終わりました。今当地は23時、まだ土曜日です。

会議場からの帰り シカゴ美術館前

シカゴはやっぱりビルが美しいです

日本皮膚悪性腫瘍学会2016 成人T細胞性白血病はもう風土病ではない?

日本皮膚悪性腫瘍学会で鹿児島に来ています。すばらしい講演が組まれており、とても勉強になります。個人的にほとんど診察することのない病気ですが、今後出会う可能性があるかもしれない成人T細胞性白血病に関する内丸薫先生(東大医科研)の講演で聞いた内容をまとめておきます(もし内容に間違いがあれば私の理解の問題です)

成人T細胞性白血病はHTLV-1というウイルスをもっている方のごく一部(5%)に発症します。 このウイルスを持つ方は九州や沖縄、中国四国地方の海沿い集中している風土病として発見されました。その後、このウイルスを持つ方は日本だけではなく、アフリカ、東南アジア、南米などにもいることがわかり、アフリカを出たホモサピエンスの古いグループが持ってきたのではないかと推測されています。成人T細胞性白血病は ウイルス学と人類学を結びつけた疾患です。
さて、今回聴講して心に留めなくてはいけないと思ったポイントは次の2つです。

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紫斑(しはん)という言葉はまぎらわしい

紫の斑と書いて紫斑(しはん)と読みます。紫斑(しはん)は読んで字の通り、紫色の皮疹であり、大切なのは色よりも皮膚に出血しているということです。でも出血したては紫ではありません。とてもビビッドな赤です。

四半世紀の間、学生さんに、「紫斑はただ紫色の皮疹という意味ではないよ。皮膚の出血だよ。ピンクっぽい赤も鮮やかな赤も紫の赤もあるからね。見た目で決めないでね・・・」と言ってきました。たぶん100年以上前から存在してきた定義と微妙に違ったことを教えてきたのかもしれません(語源はラテン語、ギリシャ語で赤に近い紫で医学的には皮膚の出血を指す言葉と定義されています。日本皮膚科学会の説明でも、少なくても紫の成分がある・・・というニュアンスがあります。この辺は色に対する個人の感覚の問題かもしれませんが)。紫斑などという紛らわしい言葉を使うから面倒な説明をしないといけなくなるのではないか・・・もう出血斑でいいのではないか、といつも思うわけです。今回は超個人的な愚痴です。

息子が岐阜から持ち帰った生茶葉を紅茶にしてくれました。熟成後に炒ってます。
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何も入れていないのにミルクと砂糖を入れたような甘みの強い紅茶になりました。緑の茶葉が”ちゃんとした”紅茶になったのがとても不思議だった。
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今シーズンの野菜を植え付けました。定番のトマト、ナス、キューリです。
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日焼け止め サンスクリーン剤の選び方 2016

ゴールデンウイークも今日でおしまいですね。当地は風は強かったものの天気の良い日が多かったように思います。今回は時季ネタで簡単な日焼け止め(サンスクリーン剤)の選び方です。米国の米国環境ワーキンググループ(the Enviromental Working Group, EWG)からの注意喚起についても触れます。

日焼け止めは今まで何度も記事にしてきたテーマです(古い記事は内容が正確でないものがあるかもしれません)。日焼け止めはどこに塗る(2007)、サンスクリーン剤の成分(2008)、サンスクリーン剤の成分の安全性(2008)、日焼け止めの選び方(2010)サンオイルって何が入っているんだ?(2012)、サンスクリーン剤の量と効果(2012)、サンスクリーン剤の容器ラベルの見方(2013)

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ゴールデンウイークも最終日は観光客の数もだいぶ少なくなりました。明日からまた日常が始まりますね。カヌーのついでに2種類の日焼け止めの効き具合を試してみました。

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早期の皮膚がんを疑うサイン 75歳以上の顔 赤い皮疹

皮膚がんで多いのは、基底細胞がん(きていさいぼうがん)、有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)、メラノーマ(悪性黒色腫)です。今回は早期の有棘細胞癌の見分け方について。

がんは一晩ではできません。とくに有棘細胞がんは盛り上がってくるまでに最低1-2年、普通は数年以上かかると思います(個人的な感想です)。頭や顔、耳などにできる場合(紫外線が原因です)、始まりは小さな赤い平らな皮疹です。見分け方について説明します。

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春の川です。鯉のぼりが舞っていました。
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カメムシ

以前このブログで触れたカメムシの記事を論文にしてみました(年末の休みに書いたのです)
Orange pigmentation spots on the sole may be from a stink bug

足の裏にオレンジ色の点々ができた患者さんがいて、原因がわからず何年かもやもやしていました。偶然読んだ医学雑誌にそれがカメムシを踏んだことによる色素沈着であることが出ていて、長年?の胸のつかえがとれてすっきりしたという記事です。足の裏にオレンジ色のシミが突然できた

korianda- kamemushi 2012

このブログでは初めてのリバイバル写真です(元記事はこっち)。うちの庭のコリアンダーに来たカメムシです。Wikiではカメムシはコリアンダーの匂いがする、と書いてありました。緑のカメムシは美しいです。でも足に色を付ける(本人は踏まれるので本望ではないと思いますが)クサギカメムシは灰色で地味です。

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たこ焼き食べてショックになった

もう少し正確に言うと、「家で作った」タコ焼きを食べたら、体にかゆいもの(じんましん)ができた、息が苦しくなった、(最悪の場合は)ショックになった・・・です。
よくある順番は、、
お好み焼きを食べてショックになった。
ホットケーキを食べてショックになった。
たこ焼きを食べてショックになった。
(ショックから生還した後に)皮膚科で原因を調べてもらうようにと紹介されてきます。
・・・まずはいろいろな質問から始まります。いきなり血液検査はよろしくありません。

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当地も桜が満開になりました。今年はいつもより早い感じがします。「雲とまがふ万朶の桜花」でしょうか。

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庭も春めいてきました。
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痛んで捨てた玉ねぎから葉が出てきました。

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リウマチと言われている・・・+ふけ症、あるいは爪が濁っている・点状にへこんでいる

関節リウマチと鑑別すべき疾患はたくさんあります(私は専門ではないので、教科書などからの受け売りです)。皮膚科に関係が深い鑑別疾患は関節症性乾癬と強皮症でしょうか。
関節リウマチと言われている
+両手が赤く冷たい・・・強皮症
+ふけがすごい(脂漏性皮膚炎様)・・・関節症性乾癬
+すべての爪が白癬(水虫)様に黄色く濁っている、あるいは爪に細かいへこみがたくさんある・・・関節症性乾癬
+尾てい骨のところの皮膚がガサガサした赤い皮疹がある・・・関節症性乾癬(ただし、単なるガサガサ、ざらざらのみは高齢者の尾てい骨によく認められる症状です。お尻の肉が減って体重を支える部位に一致して皮膚が硬くなるのです)
+指の第1関節が腫れて赤くなっている・・・関節症性乾癬(へバーデン結節という慢性の関節症も似た症状を示します)
+踵の後ろが腫れて痛む、足の裏が痛む・・・関節症性乾癬

皮膚科診断をきわめる 図

皮膚科診断をきわめる: 目を閉じて診る,もうひとつの診断学の挿絵の一部です。
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