生まれたばかりの赤ちゃんの頭に丸いはげがある

生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)にはいろいろな皮膚の変化がみられます。診断と治療を急ぐ必要のある症状はきわめてまれですが、やはり親御さんにとっては心配になりますね。ほとんどは入院している間か退院早期に(産科や小児科の先生が必要と判断すれば)皮膚科を紹介されることが多いと思います。
今回は部分的な脱毛が赤ちゃんに認められたときに考える疾患について。
2014AUG17-1
雨が続き、PCとにらめっこしていた夏休みは今日でおしまいです ちょっと外に出たくなり、わが町にある伊東豊雄さん設計の建築物をじっくり見てみようと出かけました。
2014AUG17-2
催し物がないのでロビーには誰もいません。静かです。象嵌ガラスから光が入ってきれいです。
2014AUG17-3
屋上です
2014AUG17-4
玄関です  これからサイトウキネンフェスティバル(名前が変わるようですが)が始まります。


1)丸から楕円形で少し黄色みを帯びているか正常:脂腺母斑(しせんぼはん)・・・アザの一種です。成長とともに色が黄色っぽくなりながら表面がざらざらし、少し盛り上がってきます。中年以後になると一部に皮膚の良性腫瘍、たまに基底細胞がんという皮膚癌ができることがあります(報告によって異なりますが、20%程度との報告があります)。成人になるまでのどこかの時期に美容をかねて切除するか、なんか一部が盛り上がってきたら皮膚科を受診するよう本人によく言い聞かせておけばよいと思います(もちろん言い聞かせることができる年齢になってから)。
2)先天性皮膚欠損:部分的に皮膚がきちんとできなかった。頭のてっぺん(頭頂部)に多く、皮膚がただれていたり、ケロイド瘢痕になっていたりします。美容的に気にしなければ放置です。
3)三角脱毛:前頭骨と側頭骨の境界にできることが多く、三角形や楕円形をしています。処置は同上です。
4)髄膜腫:頭の中央(おでこから後頭部にかけて)にできます。皮膚の下に袋やかたまりを触れます。これが一番注意が必要です。小さくてかわいそうですがCTなどで頭蓋骨の中からなにか飛び出していないか調べる必要があります。非常にまれで、私は患者さんをみたことはありません。ただ、赤ちゃんに限らず、大人でもおでこから後頭部から腰まで、背骨のラインに上にできた皮膚の下のしこりは頭蓋や脊髄の中とつながっている袋の可能性があるので、メスを入れる前に必ずCTを撮らないといけません。正中のしこりはおっかないのです。
5)これも稀ですが、結節性硬化症という疾患の皮膚症状として、皮膚面が赤や黄色、または正常色の脱毛(少し台状にもりあがった)がみられることがあります。
言い訳を言わせてもらうと、生後数日程度では上記の診断が難しいです。ほとんどは1-2日月後にもう一度診察させていtだくことが多いです。急いで対応しなければいけない疾患はありませんので、過度に心配しないでください。

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